阪神は２９日（現地時間２８日）、米国テネシー州ノックスビル市でランディ・メッセンジャー投手（３５）と来季の選手契約を締結したことを発表した。年俸３億５０００万円の２年契約。来季で来日８年目となり、ジーン・バッキー投手（６２～６８年）、ジェフ・ウィリアムス投手（０３～０９年）の７年を抜き、球団助っ人では史上最長の在籍年数となる。

　初来日からの７シーズンで揺るぎない信頼を築いた証しだ。日本通算７３勝で１４年に最多勝、１３、１４年は最多奪三振のタイトルを取ったメッセンジャーが阪神と新たに２年契約を結んだ。バッキー、ウィリアムスの在籍７年を一気に飛び越え、球団史にその名を刻むことになった。

　メッセは球団を通じて「来シーズンも阪神タイガースでプレーできることに誇りを感じます」とコメント。来季に向けては「まだ経験していないリーグ優勝をぜひとも金本監督とともに勝ち取りたい気持ちでいっぱいです」と熱いメッセージを寄せた。

　２年連続３度目の開幕投手を務めた今季は２８試合に先発して、１２勝１１敗、防御率３・０１。２年ぶり通算５度目の２桁勝利はバッキーに並ぶ球団助っ人最多記録。何よりもチーム事情によって中５日、中４日も辞さず、フル回転で投手陣を支えた。

　今回の契約を満了すると国内ＦＡ権の取得条件を満たし、同時に日本選手扱いとなる。他球団流出に備えての２年契約でもあり、来季から３年目以降のオプションについて、高野球団本部長は「まあ、そこはちょっと伏せておきます」と含みを持たせた。

　来季で３６歳となる右腕は「シーズンを通してローテーションを守り抜き、チームの勝利に貢献できるように、このオフもしっかり体を作ってキャンプに行きたい」と早くも意欲満々。「来シーズンは日本シリーズまで投げ抜く強い気持ちをもって挑みます」と強い覚悟と決意を示した。猛虎愛の強いメッセが金本阪神を優勝に導き、名実ともに伝説の助っ人となる。