球児、狙う通算防御率1点台 野村元監督の教え胸に巻き返す
「ノムラの考え」は、今も球児の胸に刻まれていた。阪神・藤川球児投手(36)が1日、通算防御率1点台に強いこだわりを示した。今季は防御率4・60と低迷。通算防御率は2・00に到達し、バツが悪そうに切り出した。
「今通算の防御率が2点台、確か2・00かな。乗ってしまったのでどうしてもそれは下げておきたい。できなかったらショックだし追求したい。それがチームのためになる」
ふと恩師の金言がよみがえる。「唯一投手だけが自分の成績を求めていい」。プロ1年目から3年間仕えた野村克也監督の教えだった。巻き返しの来季はリリーフ一本で勝負。覚悟を示すように背番号18から、かつて輝きを放った22番に変更した。
「タイガースを出てから22番を着けないようにしていた。背番号に恥じないように、ファンの方が持っている『藤川球児22番』というピッチャー像をもっともっと高めないと。汚すことはできない」
超人からも刺激を受けた。FAで阪神に新加入した糸井とすでに接触。「彼はまだまだいけると言っている。そういう力をもらいながら。チーム全体が良くなればいいと思います」と共闘を誓った。
この日は西宮市の球団事務所で2年契約の2年目となる来季の契約更改交渉に臨み、現状維持の2億円でサイン。「クローザー、セットアッパーにこだわりはない。チームが優勝することだけが目標。不動心のところに突き進んでいきたい」とスッキリした表情で語った。昨年、涙の復帰会見ではファンへ優勝パレードを約束した。来季こそ夢をかなえる。