鳥谷、来季は遊撃で勝負!金本監督に直訴していた 将「同じなら若い方でいく」
阪神・金本知憲監督(48)が6日、鳥谷敬内野手(35)と来季ポジションについて直接面談を行ったことを明かした。今季、遊撃レギュラーの座を北條史也内野手(22)に譲った前主将が来季「遊撃一本で勝負したい」決意を直訴。指揮官はこれを尊重したが、来春の実戦で北條を圧倒しない限りレギュラー復帰はないと、厳しい見解も示した。
来季ポジションについて、金本監督が鳥谷と面談していたことを明かした。11月22日、球団納会の前に直接対話し、双方の認識を確認。その席で鳥谷は自身の決意を伝え、指揮官も了承したという。
「意見を聞いたけど、彼はショート一本でやると言っている。それはやっぱり尊重してあげないといけない」
背番号1の実績、存在意義を重んじ、今季北條が奪った遊撃レギュラーの座に再チャレンジする覚悟を受け止めた。鳥谷は2日に臨んだ契約更改の会見で自身のプロ13年目を「ふがいないシーズン」と振り返った。打率はキャリアワーストの・236。名手の名を汚す拙守も重なり、7月24日・広島戦で先発落ち。連続試合フルイニング出場は667で途絶えた。遊撃レギュラーの座を北條に譲ったことで「自分はレギュラーじゃない」と、悲壮感を隠さなかった。
キャプテンを福留に譲り、背水の陣で挑む遊撃復帰への道。北條が著しい成長を遂げるだけに金本監督の見解も自然と厳しくなる。
「今の流れは北條できている。(鳥谷が)圧倒的な力を見せない限り、(力が)同じなら若い方でいくという方向に向いているから。トリも『それは分かっています』と納得の上。その上で『ショートで勝負したい』ということだから、それはもう見守りますよ」
超変革のもと、世代交代の波が聖域をものみ込んだ。来春のキャンプ、実戦で「遊撃レギュラー=北條」のチーム構想を覆すには、結果で上回るだけでは物足りない。ダントツの存在感を取り戻す必要があると力説した。
「変にサードで勝負というより、ショートで勝負した方がスピードも落ちないし、ベストだと思う。ただ、同じだったら優先されるのは若い方。いまさら(流れを)戻してというのは大変な作業。やっぱりトリでいくとなったら、北條も去年は何だったんだとなる」
金本監督は競争の決着について「いつ判断というのはない」と言う。鳥谷が復権を果たすのか。北條が引導を渡すのか。球団史に残るサバイバルはもう幕を開けている。