原口 子どもたちに誓った!憧れの巨人・阿部封じ
グッチ先生ありがとう!阪神・原口文仁捕手(24)が14日、高知県土佐市立高岡第一小学校で行われた「JFAこころのプロジェクト 夢の教室」に、先生役として参加。「トークの時間」では教壇に立ち、捕手を志すきっかけとなった巨人・阿部慎之助捕手(37)との秘話を披露。来季こそ正捕手の座を射止め、宿敵となった憧れの人を抑え込むことを誓った。
黒板の前に立って教室を見渡すと、幼き日の自身の姿を思い出した。廊下から子どもたちの笑い声が聞こえ、おいしそうな給食の匂いがたちこめる。巨人・阿部に憧れ、夢を追いかけていた少年時代。原口にとって、特別な存在に変わりはない。だが今は、倒さなければいけない宿敵だ。
夢教室の“授業”での一コマ。原口は阿部との秘話を生徒たちに伝えた。小学5年時、実家の近くで行われた巨人選手によるサイン会で、初めて憧れの選手と出会った。握手を交わしたその瞬間から、プロへの挑戦がスタート。野球を辞めたくなった時も「同じグラウンドに立ちたい」という夢が、折れそうな心を奮い立たせてくれた。阿部がいなければ、今の自分はない。
「もちろんです。(封じるための)準備はしています。ちょっと打ち損じてもヒットゾーンに運ばれるので、そういうところの技術の高さはすごいなぁと思いますね。そこまで数多くは対戦していないですし、今(準備を)やってる最中です」
今季の阿部は阪神戦に13試合出場して48打数22安打、打率・458。阪神が巨人に9勝15敗1分けと大きく負け越した一因として、背番号10にカモにされたことが挙げられる。原口も悔しい思いを味わった。自身に希望を与えてくれた大打者へ、今はリベンジしていく覚悟だ。
この日は体育館でバッティングを披露し、ジャンケンゲーム、かけっこなどで子どもたちと触れ合い、その後は教室の教壇に立った。秋季キャンプ終了後すぐに準備に取りかかり、十数枚の資料を作成。目標を持ち、また思い続けることの大切さを熱心に伝えた約1時間。子どもたちの目は光り輝いていた。
「初めての経験でなかなかうまくいかなかったんですけど、少しでも今日の言葉が伝わればいいなぁと思います。夢、目標を持つことが第一。それが力の源になると思います」
「グッチ先生、頑張って~!」。先生役を演じたこの日、改めて今の気持ちと向き合った。来季こそ、尊敬してやまない阿部を封じ込めたい。やはり追い求めたいのは、捕手への道だった。