糸井の人的補償は金田 オリックスが中継ぎ投手指名
阪神にFA移籍した糸井嘉男外野手(35)の人的補償として、オリックスが金田和之投手(26)の獲得を決め、阪神側に伝えたことが15日、分かった。オリックスがほっともっと神戸で編成会議を開き決定した。阪神は28人のプロテクトリストから外した来季5年目右腕を放出することになる。先発、中継ぎとして金本監督の期待も高かっただけに、代償は小さくない。
FAで獲得した糸井の人的補償が判明した。この日午後、オリックス側から連絡を受け、来季5年目を迎える右腕、金田を指名したことを伝えられた。夕方から阪神の球団事務所内は慌ただしくなり、来季編成面について急きょ話し合いが持たれた。
プロテクト28選手のリスト作成は金本監督、球団首脳、球団本部のメンバーで念入りに議論され、後悔のない結論を出したが、やはり痛みは伴った。
金本監督は就任当初から金田のポテンシャルについて高い評価を与え、今春のキャンプでは先発ローテーションの一角として期待していた。4月の広島戦で3四球など荒れた金田に「どういう気持ちで何を考えて投げているのか、僕にはさっぱり分からない。何も伝わってくるものがない」と厳しい口調で2軍行きを通達したこともあった。だが、今秋のキャンプでは成長を認め、来季期待する右腕として、再評価していた。それだけに、やはり代償は小さくない。
オリックスは長村球団本部長、福良監督らがほっと神戸内で約1時間、議論を尽くした。福良監督は「(チームの)現状を考えると投手ということになった。左右は関係なく、うちの投手と比べて使えるかどうか。(その投手なら)期待できるんじゃないかという意見だった」と議論の中身を明かした。
前回の会議で候補に挙がった投手、野手5、6人の中から、この日は3投手に絞って話し合い、来季1軍戦力として評価した金田を選択。福良監督は名前を伏せたが、「20代で140キロ後半は投げられる。見たことはないが、中継ぎで期待できるという話だった」と説明。長村本部長は「実績というより、能力で判断した。戦力に厚みを加えられる選手だと思います」と期待を寄せた。
阪神はオリックスおよび当該選手への配慮から、この日は名前を明かすことはなかった。幹部の1人は「相手のあることですし、何もお答えできない。明日発表があると思います」と返答。16日、両球団から発表される。