藤浪の“公約”プロ初200回到達&甲子園で勝つ…そして優勝だ!
阪神・藤浪晋太郎投手(22)と梅野隆太郎捕手(25)が24日、東京都江東区の「ホテルイースト21東京」で開催されたデイリースポーツ主催「2016阪神タイガース激励パーティー」に参加した。熱烈な432人のファンの前で藤浪は、来季の目標をシーズン200イニング到達に設定。25日の有馬記念もズバリ的中させた右腕が、今季わずか1勝に終わった甲子園で巻き返す。パーティーには本紙評論家・若生智男氏も登場し、会場を盛り上げた。
熱心なファンの前で高らかに誓った。パーティーの締めくくり。来季の目標を問われた藤浪が、迷いのない口調で決意表明した。
「今年はチームとしても自分としてもあまりいい成績ではなかった。個人的には200イニング。長いイニングを投げたい。毎回、毎回、安定したピッチングをするというのが自分の仕事だと思うので、目標として投げたいと思います」
プロ3年目に199イニングを達成。大台まであと「1」に迫り、今季は200イニング到達を目標に掲げていた。だが終わってみれば169イニング。登板前日に決まって「長いイニングを投げたい」と意気込む藤浪にとっては不本意な数字だ。同時に200イニングの価値を改めて思い知らされた。だからこそ、もう一度挑む。
「200イニングを投げるにはピッチングが安定しないとダメ。よっぽど完投とかしないといけない。やりがいがあります。それができれば他の数字も付いてくると思うので」
運が必要とされる勝ち星に関心を示さない男が、唯一こだわる数字だ。達成できれば防御率、勝ち星など、各部門で好成績が期待できる。持ち味のスタミナを存分に発揮し、エース復権を狙う。
「聖地の申し子」の称号も取り戻す。甲子園では大阪桐蔭時代に春夏連覇。プロでも3年目まで通算19勝4敗、防御率2・37と高勝率を誇った。しかし、今季はまさかの1勝4敗、防御率4・00。藤浪自身、「高校時代から活躍したので」と思い入れは強い。「たまたまだと思う。そんなに気にしていない。気持ち自体はどこでも変わらないですけど、ホームでは勝ちたいですね」と決意を新たにした。
今季登板26試合のうち、11度喫した初回失点も不振の要因の一つに考えられるが、右腕は首を横に振る。「今年は多かったけど気にしなかった。過去3年と何か変えたわけではないので。今年、急に悪くなったわけではない」。スムーズに試合に入るためシーズン途中から、試合前のキャッチボールの距離を長くしたり、アップの時間を早めたり工夫した。過去のデータに惑わされず、経験を来季に生かすつもりだ。
「来年はチームとして優勝できるように、少しでも貢献できるように1年間、頑張っていきたいと思います」
スピーチの最後には12年ぶりのリーグ制覇を宣言した。今オフはレンジャーズ・ダルビッシュと合同自主トレを行い、充実の日々を過ごす。来季5年目へ、期待は膨らむばかりだ。聖地で勝ち、200イニング投げ、チームを頂点へ導く-。3つの約束を果たし、虎党へ歓喜を届ける。