鳥谷、眼力道場入門 糸井も経験「ビジョントレーニング」で復活だ
眼力こそ復活へのヒント!阪神・鳥谷敬内野手(35)が、大阪市内の視覚トレーナーがいる専門機関に通っていることが28日、明らかになった。打率・236、守備では12個の失策を犯して定位置の座を剥奪された16年シーズン。遊撃のレギュラー奪取を掲げる来季へ、「目」に焦点を当てて再起を図る。
屈辱にまみれたシーズンから来季は逆襲に転ずる。走攻守における復活へのヒントは、「目」にあるのかもしれない。遊撃のレギュラー奪取を狙う鳥谷が、視覚トレーナーのもとへ足を運んでいることが明らかになった。
大阪の市街地から、淀川を越えて少し離れた専門施設。そこは医療機関という位置づけではなく、「ビジョントレーニング」といわれ、個々人にとって見やすい見方を探していく場所だ。いくつもの精密検査を行い、視覚改善への道筋を見つける。
オリックス時代のイチロー(現マーリンズ)や広島の丸、鈴木らも同施設を経験。また、昨年12月に糸井もこの「眼力道場」に入門した。物体を見る時、“一点集中”で見るのではなく、周りを“ぼんやり”と見る目の使い方を訓練。これにより投手の動きをより的確に観察できる見方を発見したことが、史上最年長盗塁王に輝いた一因となった。
では、鳥谷の場合はどうか。今季143試合に出場して打率・236、7本塁打、36打点。守備で12失策を犯し、その中には平凡なフライの落球など名手らしからぬプレーも多々あった。施設に通じる関係者は「心」に焦点を当てれば、改善の余地が見つかる可能性が高いと話す。
「金本監督からの期待も高かったと思いますし、主将としての責任も大きかったと思います。それで結果が出ないと、背負ってしまう部分が多くなってしまいますよね。精神的な負担が目に悪影響を及ぼす場合はあります。体も固まってしまい、パフォーマンスが低下してしまうのです」
さらに、糸井と同じく“なんとなく”物体を見る練習も必要だと説明する。ボールを「点」で追ってしまうと次第に立体感がなくなり、自身のグラブとの距離感もわからなくなってしまう。鳥谷のトレーニングの進捗(しんちょく)状況など詳細な点は不明だが、すでに守備面に対してはエラー撲滅への糸口を見つけ出しているという。
プロ14年目のベテランが背水の陣で臨む来季。新鮮な心と、違った“視点”で野球を見つめることが逆襲への近道なのかもしれない。