阪神、新助っ人「大砲」獲得準備 キャンベル未知数…不測の事態備える
阪神は5日、西宮市の球団事務所で球団年賀式を行った。四藤慶一郎球団社長(56)は、新年のあいさつの中で外国人選手の重要性に触れた上で、新たな「大砲」の獲得準備を整える方針を明かした。今季のスタート段階での補強は終了しているものの、宿敵巨人は大型補強を敢行。あらゆる状況を想定し、金本阪神2年目をバックアップしていく構えだ。
昨年と同じように終われない。仕事始めとなる初日から、今季にかける決意が響いた。四藤球団社長が、新外国人野手の獲得の可能性に関して言及。想定外のことが起こっても、慌てることのない準備を整えておく。
「次善の策というのは考えていきますけど。ただ(新たに獲得するとなれば)動けるように準備するようには、高野君(球団本部長)にも言っているので、そういう準備はしてくれてると思います。もし取るとなれば早い方がいいけど、それ(時期)は分からない」
すでに外国人野手では大砲候補を頭に置いて動き、キャンベルを獲得。金本監督も映像をチェックして獲得に至った経緯もあり、4番候補の一人として計算。ただ、未知数な部分は多い。日本野球に対応できるかどうか、ケガを負って出遅れた場合にどうするか。そういった不測の事態の解決策を用意しておく。
四藤社長は「今回もポジションがサードということでそこに絞ってやったので。そういう制約条件で選ばざるを得なかった」と話す。キャンベル獲得の際は、福留の一塁コンバート案があり、大砲ということに加え、三塁の守備が前提にあった。ただ、次善の策とする一手は、その時と少し変わってくる。
福留はそのまま右翼を任せることが決まり、結果的に一塁が空いた状況に。そのため、三塁は守れなくても、一塁で一発のある選手というのも選択肢に入る。その絞り込みの準備は整いつつある。
2月中旬からのメジャーキャンプには、シーツとウィリアムスの駐米スカウトに、特に招待選手らの動向を注視させることで確認済み。日本からも担当者が渡米し、アメリカで細かく会議を開いて有事に備えた絞り込みを行う方向だ。チームの行方を左右する助っ人の存在。できる限りの手は打ちたい。
年賀式のあいさつでも、四藤社長は「外国人選手の活躍がおそらくチームの浮沈に大きく影響しますので、ここはみなさんご心配のところかと思いますけれども、キャンプ以降、注意深く見ていきたい」と宣言した。
同時に「東ですごい補強をした球団がありますが、金本監督の下で一丸となってやれば必ず結果はついてくると思っています」と巨人の大型補強を意識した発言もあった。他球団との戦いはグラウンドだけではない。スキのない陣容を整えるため、フロントも全力を尽くして戦っていく。