金本監督、ドラ1大山の打撃大絶賛 今岡コーチに似ている
阪神・金本知憲監督(48)が19日、鳴尾浜を電撃訪問。新人や他の選手の動きを確認した中、ドラフト1位・大山悠輔内野手(22)=白鴎大=の打撃練習を初めて生視察した。約30分、マシン打撃などを見守り、柔らかい打撃や対応力の高さを、今岡真訪(今オフに誠から真訪に登録名変更)2軍打撃兼野手総合コーチ(42)の現役時の打撃に重ねて大絶賛。今後の成長にも期待を寄せ、大砲育成を進める。
乾いた打球音が何度も響く。室内にこもって見守ったのは、時間にして約30分。視察を終えると、寒空の鳴尾浜に高揚した金本監督の言葉が放たれた。初めて生で見た大山の打撃は、大きな期待を抱かせるものだった。
「覚えることはいろいろあるけど柔らかいね。実戦向き、対応力がありそうな。今岡さんに似てるね。タイプとしては。ポワーンとしてシャッと振る感じ。もう少し下半身がどっしりしてきたら確率も上がるし、飛距離もまだ飛ばせると思う」
自然と重なったのは、今岡2軍打撃兼野手総合コーチの姿だった。05年に4番・金本、5番・今岡の並びでクリーンアップを組んだコンビ。147打点で打点王に輝き、優勝に貢献する活躍を間近で見ていた。その天才的な打撃に近いものを、短い時間の中で大山に感じたわけだ。
「大きく育てたいし、可能性は持っていると思う。今岡に似てるよ、本当。タイプとしては。足の上げ方とかね。案外、感覚派で何も言わない方がいいかも分からない。そういう考えもある」
独特の、天性のものを携えた打撃に大きな魅力を感じた。もちろん、未完成ながらも「(直すところは)大きくはないかも。いい感覚を持っているから」と話す。他の選手にはない良さを引き出し、伸ばしていく。それが、クリーンアップを打てる右の大砲に向けた方向性となる。
もちろん、まだ課題はある。その一つが肉体面。まだ強さがないものの、それを踏まえた上で獲得している。「体の強さは正直ないけど、強さは今から付けるから」。鍛える余地は十分にあり、それがそのまま今後のさらなる伸びしろとなる。
約4時間の滞在では、藤浪らのブルペンや他の選手のウエートの成果などもチェック。その最後が大山の視察だった。「(体の強さがまだないのは)織り込み済み、もちろん。でもあれは慣れと強さで、打つよ。と思うよ、俺は」。自らが獲得を望んだ大砲候補。潜在能力を確認できたことがうれしい。指揮官の笑顔に充実感が見えた。