板山ショートもあるぞ!金本監督スイング絶賛 虎の“ジョーカー”や
阪神の金本知憲監督(48)が20日、新人合同自主トレなどが行われた鳴尾浜を視察し、2年目・板山祐太郎外野手(22)のスイングを高評価した。同じ室内練習場で打撃練習をしていた高山、北條らと比較しても「一番、伸び幅があったんじゃないかな」と太鼓判。昨秋のキャンプで高代ヘッドコーチ、久慈内野守備走塁コーチから遊撃挑戦プランを進言されたことも明かし、“ジョーカー”として定位置争いを激化させる。
期待の若虎が打ち込む姿を、指揮官はじっと室内練習場で見つめた。明らかに体の大きさが変わった高山、北條、板山。年が明けて打球の強さは、スイングの強さは-。雨が降りしきる屋外へ出てきた金本監督は「体ができている感じだわね。そういう意味では楽しみ」と語り、真っ先に個人名を挙げたのが板山だった。
「板山が一番、伸び幅があったんじゃないかな。3人の中では。当たりもスイングも強くなっている。昨年に言った課題をしっかりとやっている」。そう言いながら指揮官は目を細めた。
板山はドラフト6位ルーキーとして迎えた昨季、4月下旬に初めて1軍へ昇格。しかし、ハードスケジュールで体重が減少するなど、体力面で1年間を戦えるまでには至らなかった。その課題を克服し、体作りに比例するようにスイング力もアップした板山。確かな成長を示した若虎について、指揮官は秋季キャンプ時のあるエピソードを明かす。
「(高代)ヘッドや久慈なんかも『ショートをやらせてくれ』と言ってきた。紅白戦では時間、タイミングがなかったけど。守備コーチが『やらせてみたい』って言うぐらいだから」。板山は高校時代は二塁手で、亜大時代に外野手へ転向した。内野手としてのスキルは持っており、昨季は三塁でも1軍出場を果たした。
仮に板山が遊撃を守れるとなれば、外野三つと、二塁、三塁との計6ポジションをカバーできることになる。打撃力が向上したとなれば、その都度、配置された場所で定位置争いに加わり、チーム内の競争を激化させることが可能だ。
首脳陣にとっても1軍登録枠28人を考える上で、板山のように複数ポジションを守れて打てる選手は大きな魅力。「空いているところにスッと入っていかないといけないんじゃないかな、彼は」と指揮官が寄せる期待も大きい。
どんな状況でも、どんな場所でも光る“ジョーカー”としての存在感。「それは彼次第」と兆しを見せた若虎が、金本阪神に欠かせないカードとなる。