ドラ2小野は一級品!金本監督大絶賛「ドラ1級」 ローテ入りへ前進

 「阪神春季キャンプ」(4日、宜野座)

 阪神のドラフト2位・小野泰己投手(22)=富士大=が4日、3度目のブルペンで初めて全力投球を披露した。捕手を座らせ、直球のみ56球を投げて首脳陣、他球団スコアラーをうならせた。金本知憲監督(48)は「素材はドラフト1位ぐらいの評価」と能力の高さを再確認。楽天・岸に似たしなやかなフォームと、能見のようなポーカーフェースを兼ね備えた右腕が、先発ローテ入りへ突き進んでいる。

 温暖な気候に恵まれた宜野座のブルペンは盛況だった。真横では能見、秋山が投球。先輩に囲まれて、並の新人なら力みそうな状況だった。それでも小野は、表情もリズムも崩さない。

 ゆっくりと左足を上げ、しっかりと体重を移動させてから右腕をしならせる。セットポジションから投じた56球。細身の体から繰り出される直球で、周囲の視線を独占した。

 「捕手が座って10割の力で投げて、ボールのキレも質も良かった。順調に来ていると思う」

 淡々と振り返る右腕とは対照的に、周囲から高評価が相次いだ。打席に立った坂本は「ゆったりした中でピュッとくる。思ったより速くてびっくりした。直球で詰まらせられると思う」。肌で感じたキレと体感速度に驚きを隠さなかった。

 他球団スコアラーは、小野が投球を始めると、ブルペン横の関係者席で立ち上がった。広島・玉山スコアラーは自ら小野の名前を出して「ベースの上で伸びている感じがあった。横で投げていた能見さんと遜色がなかった。フォームは(楽天の)岸に似ている」。これまでとは一変した姿に警戒を強めた。

 捕手の真後ろから見つめた金本監督も同様の評価だった。「魅力、魅力。素材は一級品だと思うから。素材というところでは、ドラフト1位ぐらいの評価はある」と能力を再確認した様子だった。

 投球以外でも才能の一端を示した。金本監督は「他のピッチャーがガァーって投げているのに小野はスーッと投げていたね。涼しそうな顔をして」。新人らしからぬ冷静な投球スタイルでも、指揮官の心をつかんだ。

 マウンドではポーカーフェースを貫く。富士大時代から続けてきた信条だ。特にきっかけがあったわけではないが、普段の生活から感情を出さないようにしているという。野球でも同様だ。

 「試合ではなるべく(感情を)表情に出さないようにしている。調子が悪くて表情に出たりすると、捕手も嫌だと思う。プロでも今まで通りのスタイルでいきたい」

 早ければ次回のブルペンで変化球を解禁し、キャンプ終盤に紅白戦で実戦に登板する見込みだ。藤川のような空振りを取れる直球に憧れる右腕。先発ローテ入りへ着実に前進している。

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