藤浪“暴れ馬”卒業で2回完全!侍J小久保監督はWBC中継ぎ起用明言
「練習試合、阪神1-4DeNA」(13日、宜野座村営野球場)
WBC日本代表の阪神・藤浪晋太郎投手(22)が、DeNAとの練習試合に三回から登板。ツーシームなど変化球主体の新スタイルで、2回を無安打無失点に抑えた。視察した侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)も安定感抜群の投球を絶賛し、WBCでの中継ぎ起用を明言した。
暴れ馬の様相とはかけ離れていた。宜野座のマウンドに仁王立ちした藤浪が、簡単にDeNA打線を料理してみせた。自慢の真っすぐより、変化球を主体にして投じた全24球。WBC仕様の新投球スタイルを確立できれば、世界とも戦える。
三回から登板し「8割近くツーシームを投げました」と、直球系の動くボールを多投。緩いカーブやスライダーでもカウントを作り、ここ一番で真っすぐを投げ込む。四回は網谷、シリアコと4球で打ち取り、続く白崎には徹底した変化球攻め。2-2と追い込むと、最後は外角直球で見逃し三振に斬った。
2回無安打無失点、2奪三振は上出来だ。
「今までの自分にはない投球です。力勝負では(外国人選手に)かなわないと思っているので。もちろん速いストレートも必要ですけど。前回の紅白戦は直球が良かったので、変化球をなんとかしたいと思っていました」
昨年11月の強化試合では、12日・オランダ戦(東京ドーム)の五回から中継ぎ登板。直球をいとも簡単にスタンドまで運ばれたが、変化球主体の投球に切り替えると抑え込むことができた。その反省もあり、今キャンプではカットボールなど変化球の曲がりを入念に確認。WBC公認球も手になじませながら、調整を進めている。
この日の投球を視察した侍ジャパンの小久保監督は「今までの藤浪のイメージではないね。新しい藤浪。非常にまとまっていた」と絶賛した。また「先発では考えていないんですけど、今日のような投球を中でやってもらえたら、勝てる確率も格段に上がると思います」と中継ぎとして起用していく方針を明言した。
藤浪も「与えられた仕事をやるだけ」と力を込める。21日からの第5クール中に最後の実戦登板を行い、イニングや球数も増やしていく予定だ。新スタイルをシーズンでも継続できれば、昨季のリーグワースト70四球も改善できる。ポイントは160キロを生かす変化球。巧みな「技」も磨き上げ、世界を制す。