藤浪合格!7Kわずか1安打、WBCマウンド&公認球で万全デモ
「練習試合、阪神1-1日本ハム」(19日、宜野座村営野球場)
WBC日本代表で、阪神の藤浪晋太郎投手(22)が19日、日本ハムとの練習試合に先発した。代表合宿合流前の最終登板で、最長の5回、70球を投げて1安打1失点。途中、制球を乱す場面もあったが、7三振を奪うなど収穫を口にした。直球の最速は154キロ。3度の実戦登板で9回1失点と、万全の状態を整えて国際大会に挑む。
最後の打者を抑えると、藤浪は激しくグラブをたたいた。五回2死。西川の鋭い打球に反応すると、こぼれた打球を二塁・上本が処理。失点直後のイニングを三者凡退で締めた。今年3度目の登板で初先発。本番さながらの闘志あふれる投球で5回1失点にまとめた。
国際大会仕様としてマウンドを硬めの赤土に変更。本戦に近い雰囲気で一、二回を3人ずつで抑えると、三回2死で右打席に清水を迎えた。フルカウントからカットボールを選択。白球は外のゾーンギリギリに制球され、バットが動く間もなくストライクがコールされた。WBC公認球を使用した投球。打者を前にした決め球は、想像以上のキレを生んだ。
「ゾーンいっぱいに投げたいなと思ってはいたんですけど。打ってくれたらゴロになる球。ただ、見逃しは想定してなかったですね。ある程度、変化球も試せましたし、直球もよかったと思います」
5回を7奪三振。うち6個は変化球を決め球にした。「バランスを意識して、余計な力を入れずシンプルに。そういうテーマはありました」。力みのない投球フォームから、緩急を使ってリズムよく打者を圧倒した。ただ、反省は四回。先頭の西川に四球を与えると、1死二塁から横尾に右前適時打を浴びた。
続く大田、岡には連続死球で1死満塁。後続を断ったが、この回3四死球と制球を乱した。「先頭の四球は反省しなければね」。香田コーチは反省を促した上で、最少失点にしのいだ投球を評価する。一塁に昨季41盗塁の西川を置いた場面で、クイックからスタートを切らせなかった。
「けん制やクイックも随分できるようになった。走者も(二塁に)行きたそうにしていたけどね。晋太郎の成長したところ。(開幕)ギリギリに帰ってきても、すぐシーズンに入っていける。糧にしてほしいですし、裏付けになってくれれば」
最長の5回、70球を投げて1安打1失点。最速は154キロだ。この日が代表合宿前、最後の実戦登板。22日にチームを離れる。「全体的にいい調整、いいキャンプが過ごせた。あとはコンディションを整えて入れば、大丈夫というところまでできた」。引き締まった表情に自信がのぞく。セ界一の前に、まず世界一に挑む。FUJINAMIとして、強打者相手に向かっていく。