ドラ2小野151キロ驚速デビュー 1回3人斬り金本監督絶賛「大エースになる」
「阪神紅白戦、白組3-5紅組」(22日、宜野座村営野球場)
阪神のドラフト2位・小野泰己投手(22)=富士大=が22日、実戦初登板で上々のデビューを飾った。紅白戦の六回から白組の5番手として登板し、1回無失点。最速151キロを計測した直球を軸に、三者凡退に封じた。あふれる才能の片りんを見せた右腕に対し、金本知憲監督(48)は大絶賛。将来、虎のエースとして活躍する可能性を感じ取った。
淡々と打ち取る様が、実力の証左なのかもしれない。12球しか要さず、1回を3人でピシャリ。ルーキーの実戦初登板とは思えない落ち着きぶりで、小野が堂々のデビューを果たした。
テーマに掲げていた直球が光った。先頭の梅野には初球から2球続け、外角高めで二ゴロに仕留める。球場のスピードガンでは150キロだったが、テレビ中継の表示ではこの日最速タイの151キロを計測した。「同級生で抑えたいという気持ちがあった」という大山との“ルーキー対決”でも、右飛に打ち取った6球目がテレビ表示で151キロ。坂本は変化球を3球続けた2ボール1ストライクから、外角の150キロで二ゴロに封じた。
「まずは腕を振ることを意識しました。しっかりと腕が振れた投球ができたかな。真っすぐは指にかかったボールがあってよかった」。至って冷静に振り返った小野。初めてプロの打者と対しても「ブルペンでは緊張したけど、マウンドではそこまでではなかった」と、自分の力をしっかりと出した。
期待を裏切らない投球を見せた右腕を、首脳陣も高く評価した。金本監督は「やっぱりいいものを見せてくれた」と笑顔。直球主体で結果を出したことを重視し、「何かでキッカケをつかんだら、相当勝つと思うけどね。将来的に大エースになるんじゃないかなという可能性は秘めてる」と激賞した。
先発ローテ争いにも十分に絡んできそうだ。香田投手コーチは「フォームとボールのギャップがある。力感のないフォームでピュッとくる」と特長を挙げると「先発でやって欲しいよね」と期待した。今キャンプ中は、もう実戦登板させない見通しを明かすと、3月以降については「2軍の試合でも使いながら、こっちのスケジュールに合わせていかないと」と言及。先発枠を競わせることを示唆した。
スライダー、フォークの制球が定まらず、小野は「変化球がゾーンに投げられなかった。修正していきたい」と反省した。だが、最大の魅力である直球で、課題をはるかに上回る期待感を抱かせた。勝負球はすべて150キロを超え「数字として出ているのはよかった。投げてみた感じは、大学時代の感覚と変わらなかった」と手応えは十分。開幕まであと1カ月余り。即戦力ルーキーが一気に存在感を増してきた。