遊撃は北條リード!金本監督が最大級賛辞 鳥谷にはハッパ

 「阪神春季キャンプ」(28日、宜野座)

 阪神は28日、沖縄県宜野座村で行っていた1軍キャンプを打ち上げた。金本知憲監督(48)は今キャンプの野手MVPの一人に北條史也内野手(22)を選出し、鳥谷と争うショートのレギュラー争いに関して、北條リードの見解を示した。それでも本人は浮かれることなく、守備力アップを今後の課題に掲げた。

 雲が覆った宜野座の空に乾いた手の音が響いた。1カ月に及んだキャンプの打ち上げ。だが、北條の顔に安どの色はにじんでいなかった。ここから始まる“本当の戦い”へ、MVPに選出された若虎は表情を引き締める。

 金本監督の総括会見。目立った選手として「北條か中谷かな」と野手では2人の名前を挙げた。何よりも目を見張ったのは北條の打撃力向上。紅白戦からしっかりと結果を残し、25日の日本ハムとのオープン戦で2本塁打をマークするなど、力強いスイングは他の選手と比較してもトップレベルまで来ている。

 「スイングでも今、一番いいスイングをしてるんじゃないかなというぐらい、かなり完璧に仕上がってきてるなと。あれで打てないはずはないから、あれで打てなかったら、気を抜いている証拠だね(笑)」。指揮官は笑みを浮かべつつ、冗談交じりに最大限の賛辞を贈った。

 北條はMVPについて「これからもっと期待に応えられるように頑張っていきたい」と力を込める。オフからウエートトレーニングに励み、体は一回り大きくなった。すべての動きに力強さが加わり「オフにしっかりとトレーニングした結果だと思います」と手応えを口にした。

 その一方で「守備ですね…。打たないとダメですし、打つ方は継続してやっていきますが、もっと守備をしっかりできる選手になるよう頑張りたい」と課題も口にした北條。実戦の中で、送球の安定性を欠いたケースや、失策、球際の弱さを露呈するシーンが何度かあった。

 それでも金本監督は北條を遊撃のレギュラー最有力に推す。「(鳥谷には)7対3で勝ってもないぞ、と言ってるんだから。(北條を)使わないわけにはいかないやろ。数少ない右バッターで、いい角度も持ってるし」。ここまでの結果、内容はライバルの鳥谷をリード。今後のオープン戦で打撃だけでなく、守備でも遜色がないと判断されれば、遊撃での開幕スタメンが現実味を帯びてくる。

 最終日も金本監督が見守る中、早出特守で懸命にボールを追った背番号2。指揮官から直接、声をかけられるシーンもあった。確かな自信をつけた一方、課題も明白になった1カ月。3月31日、開幕戦でショートのポジションに立つために、まだまだ上の頂を目指す。

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