メッセ、侍斬り! 代表にお手本投球!!3回35球0封
「WBC強化試合、阪神4-2日本」(3日、京セラドーム大阪)
開幕に死角なし-。阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が3日、WBC強化試合の日本代表戦に先発し、3回を1安打無失点。ベストメンバーで臨んだ侍打線を軽くねじ伏せた。わずか35球の省エネ投球。3年連続4度目の開幕投手に向けて、盤石の調整過程を誇示した。
侍の前に大男が立ちはだかった。圧巻の投球で相手を寄せ付けない。3回で許した安打は1本だけ。メッセンジャーは計35球の投球に「全体的によかった」と納得の表情で振り返った。
春季キャンプから取り組む「脱力フォーム」で、日本トップの打者を次々と仕留めていく。一回の先頭はメジャーリーガーの青木との対戦。カウント1ボール1ストライクからの内寄り高めに投じた直球を捉えられたが右飛。後続を打ち取り、テンポが増していく。
さらにギアが上がった二回。4番・筒香に対してカウント3-2まで粘られた7球目。内角膝元に147キロ直球をズバッと決めて見逃し三振。さらに次打者・中田に対する2球目には、この日最速の150キロを計測。球の威力も順調に上がってきている。
二回2死からトリプルスリー男・山田に左前打を許しただけ。その唯一の出塁も、素早いクイックと、梅野の正確なスローイングで盗塁を阻止。キャンプからテーマとして掲げる力感の改良が、細かい部分にまで成果として出ている。
「セットポジションでのクイックも速くできて、捕手に時間を与えることができた」。ノーワインドアップの投球でも、テークバックに力みがない。ゆったりとしたリズムからリリースに向かって力を込める。その脱力感がマウンド上の“支配”につながった。
投球を見つめた香田投手コーチは「順調ですね」とうなずき、絶大な信頼を示す。さらに「キャンプから安定感がある」と調整過程にも太鼓判を押した。助っ投も「どんなバッターでも、コースにしっかり投げられれば抑えられる」と自信たっぷり。今季もローテの柱として、期待通りの活躍が望める。
3年連続の開幕投手はオレしかいない-。“圧投”で肩を揺らしながらマウンドを降りた背番号54。視界は良好。オープニングピッチャーを務める準備をさらに加速させていく。