ドラ2小野、収穫1敗「プロの雰囲気味わえた」4失点も憧れ聖地デビュー
「オープン戦、阪神2-6広島」(5日、甲子園球場)
聖地で堂々デビューだ。憧れのマウンドに初めて立っても、緊張した様子は見せない。ポーカーフェースの阪神ドラフト2位・小野泰己(22)=富士大=が、昨季のセ・リーグ王者に自慢の快速球を投げ込んだ。3回7安打4失点。結果は鯉打線に苦しめられたが、確かな収穫は得た。
「気が焦ってしまった部分はある。次に生かせるようにしたい。経験したことがない観客の多さでしたし、プロの雰囲気を味わえたことはよかった」
立ち上がりから制球に苦しんだ。変化球がストライクゾーンに収まらない。ほとんど直球一本になり、相手に狙い撃ちされた。「変化球のコントロールとか、全体的に悪かった」。持ち味である直球についても「スピードも悪かった」と落胆。だが、最速は149キロ。力が入り、開き気味のフォームでも打者を押し込んだ。
金本監督は「今季一番悪かったんじゃないかな」と分析。それでも「あのシュート回転する差し込んでるボールがあったから。そこら辺は逆に評価できるというか。悪い中でも見るところはある。さすがと思わせるところはあったと思うけどね」と、ポテンシャルの高さに対する評価は揺るがなかった。
高校3年間で一度も甲子園に出場することができず、悔しさを味わった。テレビの前で活躍する球児たち。その時、頂点のマウンドに立った藤浪と同じ舞台にいる。「最初は信じられなかった。一緒に頑張りたい」。いずれは実力で肩を並べる。クールな男だが、内に秘める思いは熱い。
次戦は仮に中6日でいけば12日・巨人戦(甲子園)。香田投手コーチは「5イニングくらい目指して投げてほしい」と明かした。開幕ローテ入りへ、ドラ2右腕の勝負は続いていく。