二塁“同門対決”勃発 鳥谷VS上本に金本監督「悩む」
「オープン戦、阪神6-5西武」(11日、甲子園球場)
名門の早大を出た2人による、激しいバトルが勃発した。先発した阪神・鳥谷敬内野手(35)が1安打1盗塁をマークすると、後を受けた上本博紀内野手(30)は3安打1盗塁。金本監督は満足げな表情を浮かべつつ、「悩みますね。こういうのがレベルの高い競争」と、新たに始まった二塁の定位置争いの現状を明かした。
三回1死から変化球をきれいにライナーで中前へ運ぶと、続く原口の2球目に二盗を決めた鳥谷。「打撃の感じは悪くない。相手投手によっても変わるので」とベテランの存在感を示したが、それを上回る“勢い”を見せたのが上本だ。
鳥谷に代わって四回から二塁の守備に就くと、その裏の第1打席で中前打を放ち、二盗に成功。六回の第2打席では完ぺきに右前へ打ち返した。九回先頭で迎えた第3打席は痛烈な打球で三遊間を抜き、サヨナラ勝利への流れを生み出した。
課題とされていた併殺プレーも無難にこなし「守りも最近は引っかけのスローイングミスも見られなくなった」と目を細めた金本監督。7日のヤクルト戦、ネクストサークルで俊介の打球を左腕に受けた。前腕部の打撲と診断され、腫れが引かなかったため3試合ぶりの出場だったが「大丈夫です」と上本は言い切る。
15年には二遊間で開幕メンバーに名を連ねていた2人。今年の宜野座キャンプでは、鳥谷が上本にグラブの使い方をアドバイスするシーンがあった。シートノックでも2人が連係する場面が多く、互いにレベルアップを目指してきた。
それが今、一つのポジションを激しく争うプロの現実。慣れない二塁守備に鳥谷は「練習していくしかない」と力を込めた。“同門対決”を制すのは先輩か、後輩か-。その先には必ずレベルアップを果たした正二塁手が、開幕戦のグラウンドに立っている。