メッセお前しかおらん 万全すぎる7回0封、いざ開幕投手へ
「オープン戦、オリックス0-2阪神」(24日、京セラドーム大阪)
阪神のランディ・メッセンジャー投手(35)が7回2安打無失点の好投。オープン戦最終登板で上々の仕上がりぶりを見せた。試合後には金本知憲監督(48)が今季の開幕投手に指名したことを初めて明言。「お前しかおらん」と全幅の信頼を寄せ、3・31マウンドへ送り出す。
堂々と胸を張ってマウンドを降りた。クリーンヒットを1本も許さず、最終調整を終えたメッセンジャーの表情からは確かな自信がみなぎっていた。3年連続4度目の開幕投手へ-。7回2安打無失点と完ぺきな結果を残し「あとはしっかり準備するだけ」と静かに闘志を燃やす。
立ち上がりから直球の角度、威力ともに群を抜いていた。オフの大幅な体重減で球威不足を指摘されていたが、二回、ロメロの打席で最速150キロを計測。力を入れた場面では常時140キロ台後半をマークするなど、不安を一蹴した。
打たれたヒットはわずかに2本。小島に許したボテボテの内野安打と、中島を内角直球で詰まらせながら左前に落とされただけだった。無四球で三塁を踏ませない圧巻の投球。7回を88球で投げ抜き、金本監督は「去年から見て、一番良かった気はしたけどね」と絶賛する。
キャンプ最終日、手締めの後に指揮官からこう告げられた。「お前しかおらんから。期待してるぞ」。3月31日、マツダスタジアムでの開幕戦先発を託す言葉だった。
昨季終了後、帰国の途につく前に開幕投手を志願していたメッセンジャー。8年目のシーズンも大黒柱として戦い抜き、大役に恥じない活躍をするために、ある“武器”の習得を目指していた。
それは3種類のスライダー。これまでは130キロ後半のカットボールが持ち球だったが、120キロ台で緩く大きく曲がるスライダー、そして左打者の外角に130キロ前後で食い込むバックドアを駆使できるようになった。
毎年のように対戦を重ね、経験とデータを入れて向かってくる打者をさらに上回るために-。「前回は良くなかったけど、きょうは試合の中で修正できた」。ブルペンでは香田投手コーチから技術的なアドバイスも受けた。投球の幅が広がり、相手打線に付け入るスキを与えなかった。
「100%、そうですよ」という言葉で2年目の開幕を託した金本監督。その期待、信頼に応えるため-。メッセンジャーは万全の状態で、昨季のリーグ覇者、広島に挑む。