鳥谷14年目で初の開幕サード 「恐ろしい」苦笑いも鮮やか守備
程よい緊張感が端正なマスクから漂っていた。04年の入団以来、初めて三塁で迎える開幕戦。「しっかり準備はできたので、あとは結果を残すだけなんで」と力を込めた阪神・鳥谷敬内野手(35)。昨季の不振から巻き返すシーズンがいよいよ始まる。
30日のナイター練習ではサードの守備位置でボールの転がり方を確認した。天然芝とアンツーカーの境目は、かつて幾多の名手が苦しんできた。
「三塁の守備位置はどの球場でも難しい。恐ろしいですよ」と苦笑いを浮かべた背番号1。それでもシートノックでは体を張って打球を止めるシーンもあった。勢いを失った打球には猛然とダッシュをかけ、鮮やかにさばいて見せた。
フリー打撃後も再びグラウンドへ戻り、打球の弾み方や転がり方をチェック。遊撃の時と同様に、徹底した準備を欠かさない。
「明日で試合が終わるんだったら別ですけど、明日から始まるんで。状態がいいか悪いかはまだ分からない」と平常心を強調した鳥谷。フリー打撃では快音を連発し、オープン戦終盤から着実に状態は上がっている。若い選手が多いからこそ、必要となるベテランの経験、実力。12年ぶりの優勝へ、鳥谷が新たな場所でスタートを切る。