ドラ5・糸原 プロ初安打 “金本イズム”でパワーアップ
「広島9-1阪神」(2日、マツダスタジアム)
一塁上で初めてのグータッチ。阪神のドラフト5位・糸原(JX-ENEOS)がプロ初安打をマークした。1-9の九回2死一塁で打席に立ち、カウント2ボールからの内角直球を詰まりながらも中前へ。勝利につながることはなかったが「初ヒットを打てたことはよかった」と素直に喜んだ。
糸原らしい打撃だった。差し込まれても振り抜ける。会心の当たりではなかったが、劣勢の中で光るものをみせた。「しっかりピッチャーの足元にはじき返せてよかったと思う。センター方向を意識していました」。来た球にうまく反応し、体を回転させた。
非凡な打撃センスに“金本イズム”が加わった。下半身の使い方の指導を受け、右膝が外に開く癖を矯正。構えた時から少し内股(うちまた)を意識することで打球が変わった。「そうした方が来た球に力が伝わる」。対応力にパワーが加わろうとしている。
デビュー戦となった1日の広島戦ではサヨナラ負けにつながる失策を犯したが、切り替えて試合に臨んでいた。「いい経験になったと思う。これからのプロ野球人生に生かしていきたい」。これまでにない緊張感での苦い思い出をプロ初安打に結びつけた。失敗と屈辱が成長させてくれた。