糸井 弾丸虎1号も死球で途中交代 本屋敷トレーナー「病院に行くほどでない」
「広島9-1阪神」(2日、マツダスタジアム)
圧巻の弾道が敵地を突き破った。阪神・糸井嘉男外野手(35)が三回、右中間に移籍後初本塁打となる1号ソロ。だが、投手陣が崩れて記念弾も勝利には結びつかず。五回には右肘上部に死球を受け、腫れが出て六回の守備から途中交代。幸い骨には異常はないもようで、地元開幕となる4日・ヤクルト戦(京セラ)から、超人が再び躍動する。
記念すべき虎1号は糸井らしい、弾丸ライナーの一撃だった。0-2の三回2死。九里の外寄りツーシームを芯に乗せると、打球は一直線に右中間スタンドへ。今季1号ソロに広島の虎党も歓喜に沸く。ゆっくりとダイヤモンドを回り、格別の時間を味わった。
「真芯でしっかりと捉えられました。ただ、感触は良かったのですが、弾道が低かったので『どうかな?』と思って。入ってくれて良かったです」
開幕戦は3安打3打点。延長サヨナラ負けを喫した2戦目も先制の犠飛を放つなど存在感が光る中、この日は豪快な一発。片岡打撃コーチも「見事な当たりだった」と最大級の賛辞を贈った。以前から「ホームランは打ちたいですよ」と本塁打の魅力を感じ、パワーアップに取り組む背番号7。真っ赤に染まる敵地で、確かな手応えが両手に残った。
しかし、次打席で思わぬアクシデントに見舞われる。五回1死二塁。九里の真っすぐを右肘上部に受け、その場にうずくまった。治療後に再びグラウンドへ戻ったが、六回の守備からベンチへ。試合後「(状態は)分からない」とだけ残し、帰りの新幹線に乗り込んだ。
金本監督は「腫れがひどくなってきたから」と交代理由を説明。「骨には多分、異常はないと思うけど。腫れ具合でしょう」と、地元開幕戦となる4日・ヤクルト戦(京セラ)での起用について言及した。帰りの広島駅で虎の法被を着た子どもたちに笑顔で対応するなど、元気な様子を見せた糸井。現時点で病院に行く予定はなく、本屋敷トレーナーは「当たった場所的に病院に行くほどではない。痛みと腫れがあったので、様子を見るという感じ。そんなに大きい問題じゃない」と軽傷を強調した。
開幕カード3連戦は9打数4安打の打率・444、1本塁打、5打点。5四死球と打席内のオーラでも投手を圧倒し、躍動した。開幕カード負け越しも、今後の糧にしてまた前に進めばいい。“超人”は変わらず、猛虎打線の3番に君臨する。