桑原 金本再生工場で虎初星 “和製リベラ”や!

 「阪神4-1ヤクルト」(5日、京セラドーム大阪)

 左が出てくることを予想した上で、それでも抑えてくれると信じていた。超変革は若手の抜てきだけじゃない。中堅再生の信頼の一手が、流れを手繰り寄せる。阪神・金本監督が迷わず指名したのは、31歳の桑原だった。

 「(守りのポイントは)桑原が何とかしのいでくれたところですね。一つ挙げるとすればそこだと思います」

 同点の七回、秋山が無死一、二塁のピンチを招くと桑原投入を決断。右腕の力に賭けた。中村の犠打を挟んで1死二、三塁となり、迎えたのは左の代打・大松。高橋、岩崎らの左腕投入は頭になかった。指揮官の中にはイメージができていた。

 「桑原は左バッターの方が打ちにくいですから。十分抑えてくれると思ったので。ナチュラルの真っスラというか」

 左には左を、という定石ではない。自身が左打者であり、右投手が投じるカット気味のボールは非常に打ちづらくもある。桑原の武器を再発見し、開幕から1軍に置いた。その期待が実る。右腕は大松を浅い右飛に仕留め、続く鵜久森を遊ゴロに打ち取り、糸井の劇弾につなげた。

 「勝ち星より抑えられたことが何よりです」と桑原。横浜時代の10年4月4日以来、7年ぶりの白星。昨年3月には結婚。阪神移籍後初勝利だが、ここで終わりじゃない。金本監督は桑原により高いものを望む。

 オープン戦から好調だった右腕を、これまでに「和製リベラ」と称したこともあった、米大リーグ・ヤンキースでカットボールを武器に活躍した伝説的守護神のマリアノ・リベラにその姿を重ねる。

 「(追い込んでからの決め球が)今後課題になると思うけど、そこができ始めたらクローザーできるわ(笑)」。若い芽を伸ばし、同時に「金本再生工場」で中堅を輝かせる。指揮官の信念が見えた1勝だった。

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