藤浪、荒れ荒れから劇変の今季1勝 阪神3連勝で2位浮上

 「DeNA1-4阪神」(13日、横浜スタジアム)

 大乱調の前回登板からしっかり修正してきた。中8日で先発した阪神・藤浪晋太郎投手(23)が8回1失点で待望の今季初勝利を挙げた。DeNA・井納との投手戦の中、梶谷に浴びたソロ一発で踏ん張った。チームは今季初の3連勝を飾り、貯金2で2位に浮上。この勢いを甲子園に持ち帰り、14日から首位広島を迎え撃つ。

 前回登板と比べて、見違えるような投球をする藤浪がいた。井納との投手戦を制し、8回1失点で今季初勝利。「とりあえず自分の中でスタートを切れたのでよかった」とはにかんだ。

 ストライク先行で与えた四球は1個だけ。4日のヤクルト戦では5回9四死球の大乱調。乱闘のきっかけとなる死球を与えるなど、フォームにバランスを欠いていた。

 「前回はあまりにもよくなかったので、今回しっかり投げたいと思ってました。しっかり調整してきたので、それを出すだけかなとシンプルに考えてマウンドへ上がりました」

 同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。中8日ではできる限りブルペンに入り、試行錯誤を重ねながら修正を試みた。その結果が6安打1失点。「腕を振る中で、投げる間合いだとか、タイミング、間隔、リズム、そういうところを意識した」。反省を生かし、リズムよくDeNA打線を打ち取っていった。

 唯一の失点は梶谷に浴びたソロのみ。金本監督も「ほぼ完璧でしょう」と絶賛。「ストライクゾーンに投げ込んでいけばそんなに打たれるピッチャーじゃない」と藤浪の能力を再確認した。

 12日には23歳の誕生日を迎え、確かな成長を感じさせた。走者を背負っても動揺は見せない。香田投手コーチが「弱々しく見える」と話した腕の振りを確認し、首をかしげる動きはなかった。

 開幕前には「憧れ」だったWBCに出場。現地でのカブスとの練習試合で先発の機会を得た。首脳陣の配慮だが、特に強く推したのが選考段階から力を評価していた権藤投手コーチだった。「彼はモノが違う。荒れ球だって魅力なんだから。いい経験に、糧にしてもらいたい」として経験を積ませた。

 公式戦登板は1試合のみ。準決勝敗退後のドジャースタジアムで「力のなさを痛感した。糧にする」と誓った。あれから約3週間。苦しみながら、あの悔しさを結果に変えた。

 この日は野手陣が再三再四の堅守で失点を防ぎ、九回に3得点したことで、藤浪に白星が付いた。「本当によく守っていただいたので、すごく助けてもらいました」とバックへの感謝を忘れない。

 国際大会を経て、もがき苦しんだ末に手にした1勝。「このまま次の登板に自分は備えて、次も勝てるようにしっかり頑張りたい」。金本阪神の進撃にはやっぱりこの男の力が必要なのだ。

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