セ界にメッセンジャーだけ 7回1失点で広島に2勝
「阪神4-2広島」(14日、甲子園球場)
グラブを右手でパーンッとたたいた。10連勝と勢いに乗る広島打線を止めたのは、阪神が誇る最強助っ人・メッセンジャー。7回1失点の好投で2勝目だ。あえてエースを首位チームにぶつけた一戦。4失点した開幕戦のリベンジにも成功した。
「強いカープを、エースにたたいてほしかった」。薄氷の勝利をつかんだ試合後、香田投手コーチが意図を明かした。11日のDeNA戦が雨天中止。この時点で同3戦目に登板予定だった右腕を、中7日でこの日のカード初戦に託すと決めた。
無得点に抑えた一、二回だが、広島に粘られ49球を要した。それでも「高低、幅を使いながら」とメッセンジャー。最速150キロの直球を軸に四回2死一塁では、松山を120キロのカーブで空振り三振に斬った。直近3試合で29得点の鯉打線に力&技の緩急で対抗した。
数々の助っ人記録を塗り替える助っ人に、また1つ勲章が加わった。野球ファンのバイブルとして知られる雑誌「週刊ベースボールマガジン」が隔週で執筆を依頼。創刊59年目で外国人選手のコラムは初めてだ。在籍年数が長く、活躍した過去の助っ人も成し得なかった“偉業”。足跡は後世に語り継がれる。
2戦連続で6回持たずに降板したことでスパイク、靴下、パンツを新調し、気分一新で臨んだ登板3試合目。今季2敗の広島にただ一人2勝だ。「連勝中だったのは知っていた。『俺が止めてやるゼ』と思っていたんだ」。昨季苦手にした広島も克服。エースが独走に待ったをかけた。