ドリス、リーグトップの8S目 敵地に響いた六甲おろしに「良かった」
「巨人1-4阪神」(21日、東京ドーム)
最後の打者を遊ゴロに抑えると、阪神・ドリスは勝利の喜びを感じた。左翼席を埋めた黄色い波から、六甲おろしの大合唱が聞こえる。「良かった。神様のおかげだよ!」。リーグトップの8セーブ目は、連敗を止める価値あるマウンド。陽気な新守護神が虎を支える。
4-1の九回。好投のメッセンジャーに代わり、敵地のマウンドに立った。先頭のマギーを三ゴロに仕留め、代打・脇谷は遊ゴロ。続く代打・村田も完璧に抑え、仁王立ちした。9日・巨人戦(甲子園)から、登板7試合連続セーブ。「数字というより、一日一日抑えることだよ」と胸を張った。
2016年に阪神の仲間入りを果たしたが、シーズンの初めは2軍暮らし。1軍を目指す若虎と同じように、来る日も来る日も鳴尾浜で自身と向き合いながら出番を待った。それと同時に、意識したのは早くチームに溶け込むこと。遠征先の宿舎では食事会場に最後まで残り、お酒を酌み交わしながらチーム関係者と語り合った。
「早くチームのみんなのことを知りたかったし、楽しい時間を過ごしたかったから。外に食べに行く時もあるけど、宿舎にいる時はなるべくそんなことを意識しているよ」
昨年10月の右肘手術を乗り越え、2月22日に再契約。今や欠かせない不動の守護神だ。ドリスは「いつも100%というよりは、いい状態を続けていくことが大事」と話す。
再び縦じまに袖を通せた喜びを感じている背番号98。剛球が巨人の息の根を止める。明るいドミニカンが、次もチームに勝利を届けてくれる。