メッセンジャー3勝目 虎歴代5位!通算20回目の2桁10K

 「巨人1-4阪神」(21日、東京ドーム)

 ベンチに戻った阪神・メッセンジャーの元へ、金本監督が歩み寄って握手を交わした。「スタミナあるな」。驚く指揮官の言葉に笑みがこぼれる。今季最多の130球、8回5安打1失点(自責0)。「自信があるところだからね」と胸を張った。開幕戦から無傷の3勝目だ。

 最速の148キロは八回に2度計測した。110キロ台のカーブも効果的に使い、2番からの打順を三者凡退に。昨季、対戦打率5割を超える坂本勇、阿部を封じた。エースの献身的な投球に、指揮官も「最後にギアチェンジして直球を投げるのは立派」と絶賛。今季初の2桁奪三振は通算20回目で江夏、村山らに続く球団歴代5位の偉業だ。

 来日8年目。欠かさず続ける習慣がある。登板日以外でも、チームの試合は必ずチェック。休養日でも指定の“あがり日”でも欠かさない。移動が重なる日は携帯速報で1人、1人の結果を把握する。そこには心優しき助っ人の思いがあった。

 「みんなに声を掛けるためだ。試合を見ていなかったら、何て言えばいいか分からないだろ。『昨日のプレーはよかったよとか、気にするな』ってね」

 七回、1死から小林の打球が高く弾んだ。遊撃・北條がダッシュで捕球したが、握り損ねて内野安打とした。悔しがる若虎。マウンドで一呼吸置いた助っ人は、振り返って目線を送った。「気にするな」と。得点圏に走者を進めたが、最後は中井を見逃し三振に。駆け寄る北條の背中をポンッと叩いて応えた。

 三回、鳥谷の失策にも表情ひとつ変えず、最少失点で切り抜けた右腕。仲間を思う投球は野手にも伝わる。「今日はメッセでしょ」。4安打の福留がヒーローの座を譲った。対巨人の連敗を5で止め、昨年4月7日以来のG戦勝利だ。「梅野の配球が正しかったよ」と助っ人。青き目をした侍は最後まで、仲間に感謝の言葉を並べた。

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