梅野が盗塁阻止率セ界トップの理由 経験→信頼→そして成長加速

 デイリースポーツ独自の視点からプレーの深層に迫る「虎目線」。今回は阪神・梅野隆太郎捕手(25)にフォーカスする。場面は13日・DeNA戦(横浜)の初回、無死一塁から桑原の二盗を阻止したシーン。今季の盗塁阻止率・333は、巨人・小林らを抑えてリーグトップ。開幕から全試合でスタメンマスクをかぶるなど、成長の跡をチーム内外の声から迫る。

 開幕から間もなく1カ月を迎える。19試合を消化して11勝8敗の2位タイは十分な戦績。安定した戦果の裏には梅野の存在が大きい。

 矢野作戦兼バッテリーコーチが明かす。「大事なところで刺してくれている」。象徴として挙げたのが、13日のDeNA戦(横浜)。藤浪が初回、先頭・桑原に右前打を浴びて迎えた梶谷の打席。梅野は2球目に二盗を企てた桑原を刺した。

 「まずストライクを取ってほしいところで2球で追い込んだが、3球目を打たれてヒット。その流れで走られたら嫌な感じに…というところだったから」

 藤浪は今季2度目の登板。4日のヤクルト戦(京セラ)では、5回2失点ながら9四死球と制球を乱していた。仮に無死二塁となっていれば、精神的にも追い込まれたかもしれない。実際、以降のロペスに右前打、筒香に四球と安定していなかっただけに、盗塁阻止の貢献度は計り知れない。阻止率・333はリーグトップ。数字以上に、刺した6度の内容に価値がある。

 前述の桑原のほかに広島・田中、菊池、ヤクルト・山田、中日・藤井(2回)。相手はリーグ屈指の俊足ばかりだ。「すごいこと。僕は7-2(7度の企図で2盗塁刺。阻止率・286)ですから。お互い頑張っていきたい」。巨人・小林が刺激を口にすれば、中日・平田は「まだ分からないことは多い。ただ、固定されたら『走りにくい捕手』という印象があります」と続けた。田中はこう分析する。

 「元々、スローイングもよかった選手ですし、ここまで経験を積んで正確性などが上がってきているのでは」

 「経験」。ステレオタイプな表現かもしれないが、捕手においてこの言葉の持つ意味は大きい。開幕から全試合にスタメン出場。終盤に代打を送られるなどした4試合以外、ほぼフル出場を続けている。「前はこう攻めたからこうしようとか、先発投手とも話し合うことができる。準備する段階でのやりやすさは確かにあると思います」と梅野。香田投手コーチも、こんな見方をしている。

 「ワンバウンドをしっかり止めてくれる。これは投手としては非常に助かる。昨年からすると随分成長している印象。ベンチ裏でも投手と信頼関係を築こうと、積極的に会話する姿がみられるので」

 経験が信頼を、信頼が成長を加速させる。技術的には矢野コーチに「キャッチングと準備」を徹底指導されてきた。「まずはしっかり捕って球を早く離すこと。盗塁は投手との共同作業ですが、クイックとかをやってもらえれば刺せる自信はあります」と梅野。塁に出しても進塁させない。他球団の警戒がさらに増していけば、阻止率とともにチームの勝率はさらに上がる。

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