40歳、福留に金本監督お願い「抜いて上いって」
阪神の金本知憲監督(49)が26日、40歳の誕生日を迎えた福留孝介外野手に“鉄人超え”を期待した。指揮官の40歳シーズンに残した打率は・307。その数字を、現在打率・297の福留に抜くように願った。この日の甲子園でのDeNA戦は雨天中止。水入りとなったが、ベテランにはいい休養になったはずだけに、これから打ちまくってくれるに違いない。
チームの躍進に欠かせない男が生を受けた日。この日40歳となった福留に、金本監督はお祝いの言葉でなく、お願いの言葉を口にした。「もう抜いて、全然上いってください。お願いしますよ」。不惑を迎えたベテランに、まだまだ老け込むのは早いとばかりに“鉄人超え”を注文した。
昨季の福留は打率・311と阪神移籍4年目で初めて3割をマーク。チームは4位と低迷する中、孤軍奮闘の活躍ぶりで打線をけん引した。ケガなどで苦しんだシーズンもあったが“復活”を遂げたヒットメーカー。今季も唯一無二の存在となっている。
21日からの巨人3連戦では、3試合連続初回先制打など計6安打6打点の大活躍を見せた。打率も上昇し、現在は・297。金本監督が40歳シーズンで残した打率は・307だが、それ以上の成績を残せる状態にある。
打線の中心であると同時に、年の離れた若手に声を掛ける存在としても貴重だ。指揮官はそんな姿も頼もしく感じているようで「選手同士の意見とかいいと思うし、むしろどうぞどうぞと」。これまで築いてきた経験と技術。積極的にコミュニケーションを取り、若手を高いレベルに引き上げてくれることはチームにとって間違いなくプラスになる。
昨季には1学年上の広島・新井が40歳シーズンで3割をマーク。リーグMVPを獲得する活躍で優勝に導いたが、「アイツは早生まれですからね。1年ちょっとズレてんねん。だから実際は39(笑)。孝介は本当の40歳。分かる?アイツは40歳の学年の39」。金本監督は恒例の新井いじりで笑い飛ばした。
この日報道陣から40歳の誕生日を祝福された福留は「そういう日もあるよね」と、とぼけるように笑った。体力的には厳しい戦いが続くが、金本監督は「配慮?やっぱりしてるよ。ケガしたらどうしようもないから」と前置きしつつ「その中でも、お願いですから(記録を)抜いてください。希望いたします(笑)」と“鉄人超え”を念押し。背番号8がその期待に応えれば、「優勝」の2文字も見えてくるはずだ。