糸井で単独2位浮上 甲子園初タイムリーがV撃「最高です!」

 「阪神5-2DeNA」(27日、甲子園球場)

 さすが頼りになる男や!阪神・糸井嘉男外野手(35)のバットが勝利を呼び込んだ。一回、無死二、三塁から先制の2点右前打。移籍後甲子園初タイムリーで打線を勢い付けた。先行逃げ切りで連敗を回避。貯金3で巨人と入れ替わり2位に浮上した。きょうからの中日3連戦でさらに貯金を増やすでぇ!

 体中の力をバットに込め、白球を思い切りぶっ叩いた。春の甲子園を歓喜の渦に巻き込んだのは糸井の一振りだ。「福留さんにつなぐ気持ちで打席に入りました」。聖地初タイムリーが決勝打。“超人スマイル”で勝利の喜びを分かち合い、六甲おろしを感じた。

 高山、上本の連打でつくった初回無死二、三塁の大チャンス。カウント1-1からの3球目、先発・井納の高め直球を狙い澄ましたように振り抜いた。打球は一、二塁間を鮮やかに破り、一気に2者が生還。その後、自身はキャンベルの二ゴロ併殺の間に3点目のホームを駆け抜けた。

 18日・中日戦(ナゴヤドーム)以来、7試合ぶりの打点に「甲子園では初めてでしょ」と納得の表情。縦じまに袖を通し、本拠地の虎党の前で打てた一本がこの上なくうれしい。得点圏では18打数8安打、打率・444、14打点。勝負強い、頼りになる男に猛虎は支えられている。

 「超人」と呼ばれる糸井だが、意外にも食生活にはそこまで神経質にならない。野菜中心、炭水化物は少なめ、無添加食品など、スポーツ界に広がる節制の仕方は多種多様でも、背番号7は「特に、普通ですよ」と特別なこだわりはないという。むしろ好きな物をおいしく、楽しく食べることが重要だと話す。

 「あんまり意識するとストレスになるからね。ハンバーガー生活や!プロテインは(一度に)5杯くらい飲む時もあるよ」と笑う。

 この日、甲子園のお立ち台に初めて立った糸井は「最高です!」と笑顔でファンの声援に応えた。横には助っ人のキャンベルとドリス。通訳を交えた和やかなやりとりを目にし、心が安らいだ。クラブハウスの前では、“糸井節”で締めた。

 「俺にも通訳いるやろ(笑)」

 首位を走る広島と2ゲーム差の2位に浮上。「明日(28日)から中日戦、必死に頑張ります。応援よろしくお願いします」。頼れる大男に導かれ、タイガースが王者の背中を追いかける。

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