「阪神６－０中日」（２８日、甲子園球場）

　チームにとっても、自身の未来を切り開く上でもまさに効果てきめんの一撃が飛び出した。２試合ぶりスタメンの阪神・中谷が２点リードの五回、左翼スタンドへ弾丸ライナーで今季初本塁打をたたき込んだ。

　金本監督が「すごい当たり。彼らしさが出た」と絶賛した一発は１、２打席目でいずれも左飛に仕留められていたツーシームを完璧に捉えたものだ。

　２５日のＤｅＮＡ戦では５番・一塁でスタメンも４打席４三振。「悔しかった」と振り返る。

　その２５日の悔しさ、この日の２打席目までの悔しさ、“ヤラレタ”記憶を原動力に、中谷の代名詞でもあるパワーをさく裂させ、勝利に大きく近づく３点目をもたらした。

　しかし中谷は「あの場面はよかったんですが、次のバントができず…」と言う。六回無死一、二塁で無得点に終わった金本監督が、七回にも得た同様の好機で「雑な野球をしたくなかった」と、打席の中谷にバントを命じたが、２球ファウルし、１ボール後、空振り三振に。

　「反省です」と中谷。続けて「課題がたくさん出た試合でした。１試合１試合、しっかりやります」と、これもまた次の飛躍を呼ぶ悔しさとするはずだ。