岩崎 好救援!勝ちパターンできた 金本監督も称賛
「阪神3-6中日」(29日、甲子園球場)
勝利には結びつかなかった。されど、絶体絶命の痺(しび)れる場面で見せたマウンドでの勝負度胸。攻撃ムードを高めていた竜に対して阪神・岩崎が投じた13球は圧巻だった。
冷静に見えた。同点で迎えた六回。先発・青柳が無死二、三塁のピンチを招いたところで出番を告げられる。まずは亀沢をフルカウントから外角低めスライダーで空振り三振斬り。続く代打・荒木も外角直球で空振り三振に仕留めると、大島を外角直球で遊ゴロに打ち取った。1回を無安打無失点。窮地で投じた13球はパーフェクトだった。
肝心なのは、いかに己の力を発揮するか。「自分の力を出すことだけを考えて、それができました」。登板した試合はこの日で4戦連続の0封。この間は1安打すら許していない。開幕当初に比べ直球のキレも戻りつつある。「(直球は)シーズンの初めよりは上がっているので、それを出していけたら」。自分の調子が上昇気配であることを感じ取っている。
文句なしだった岩崎の内容に指揮官も賛辞の言葉を惜しまない。「もう、あそこは素晴らしかった」と金本監督。さらに、今後の勝ちパターンでの起用について「十分、十分」と可能性を示した。
本領を発揮するのはここから。先発から中継ぎに転向した今季。これまでは劣勢の情勢で登板することが多かった。その中で培ってきた信頼感。チームのためにも、全力で左腕を振り続ける。