「ヤクルト４－８阪神」（３日・神宮球場）

　打球が高く弾んだ瞬間、安打を確信した。捕球したヤクルト・山田がスローイング動作へと移る前に、阪神・大和は一塁ベースを駆け抜けていた。「最高のヒットです」。今季からスイッチに転向した背番号０はこう言って納得の表情を浮かべる。

　守備から途中出場し、迎えた九回の第１打席。チームがマテオの乱調で１点差へと迫られる中、カウント２－２から低めのシュートをたたきつけた。

　二塁への内野安打でチャンスメークを果たすと、１死後、福留の左中間二塁打で一気にホームへ生還。貴重な追加点をもぎ取り、一挙３点への足がかりを作った。

　守備での出場機会が多く、この日で今季５打席目。それでも２安打をマークし、打率は４割を記録してる。「どういう形でも結果を？はい」と短い言葉に力を込めた大和。安定した守備力は今のチームに欠かせない。少ないチャンスを生かしていくことで、必ず、その力がスタメンで必要とされる時がやってくる。