梅野V撃!連日のヒーロー こどもの日に痛快逆転、さあ連勝で奪首や

 「阪神8-5広島」(5日、甲子園球場)

 こどもの日のスタンドに最高の笑顔が広がった。今季最多4万6593人が詰め掛けた聖地で、首位・広島に痛快な逆転勝ちを収めて3連勝。1点を追う七回、阪神・梅野隆太郎捕手(25)が2試合連続猛打賞となる決勝の逆転2点適時三塁打。貯金を今季最多の6とし、ゲーム差を1に縮めた。連勝でセ界のトップに躍り出る-。

 こどもの日に勝利を導き、夢と希望を与えた。澄んだ瞳を魅了したのは梅野。逆転適時三塁打を含む2試合連続の猛打賞で連日のヒーローだ。「競っている戦いで勝てて、僕自身もうれしい」。充実した表情を浮かべながら振り返った。

 試合前のミーティングで片岡打撃コーチから「子どもたちに喜んでもらえる試合に」とゲキを受けた。脳裏に浮かんだその言葉。1点差の七回1死二、三塁で期待に応えた。左中間を破る逆転の2点適時三塁打。ベース上で「ヨッシャー」と思いを爆発させた。

 この日は決勝打だけではない。第1打席に中前打でチャンスメーク。さらに0-4で迎えた四回2死二、三塁の2打席目には、しぶとく右前に運んで反撃の1点をたたき出した。「8番打者として、粘ることは心がけている。うまく反応できた」。直前の球はグリップに当たるほどの厳しい内角攻めに遭いながら、外角低め一杯の直球を捉えた価値ある安打だった。

 金本監督は試合を決めた一振りについて「ほんとによく打ってくれた」とニッコリ。四回の右前適時打にも「梅野のタイムリーでいけるんじゃないかという雰囲気が出た」と絶賛した。

 試合前に“予兆”があった。11年前の5月5日は矢野作戦兼バッテリーコーチが現役時代に3打席連続本塁打を放った日だった。梅野は「ブルペンで言われて。キャッチャーとして(同じ日に)活躍できて、なんかうれしいですね」と照れながら笑う。運命的な巡り合わせ。正捕手の座を確固たるものにしつつある。

 観察眼を磨く習慣を癖づけている。試合前はいち早くベンチに座り、相手チームの研究に努める。「捕手目線で、どう打ち取るかも見るし、いいバッターはバッターとして参考にもしている」と梅野。その姿勢は攻守にわたって結果となって表れ始めている。「将来はヒーローを『梅野』と書かれるように」-。夢に向かって信じて走り続ける。

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