福留、鳥谷とお立ち台 4番の「つなぐ意識」が鳥谷の先制打呼び込む
「阪神6-0広島」(7日、甲子園球場)
痛烈な当たりが右翼線を襲う。2点リードの六回無死一、二塁。甘く入った変化球を捉えた。阪神・福留は二塁に到達し、大きく手を叩く。「どのピッチャーが投げている時もそうだけど、野手全員が点を取ってやりたいという気持ちがあった。能見は何度もいいピッチングをしていたし」。ベテラン左腕に今季初白星をもたらした。
主砲が見せた果敢な姿勢がチームの勢いを加速させた。先制した四回。無死一、二塁で打席に立った福留は2球目にセーフティー気味にバントを試みた。「先に点を取って動かないと。今年一回もやってなかったし、相手も警戒は薄いかなと思った」。ファウルとなったが、4番が見せたつなぎの意識が鳥谷の先制打を呼び込んだ。
細かい配慮ができる主将。プライベートでも気遣いを忘れない。息子の友だちがスイスに留学すると知り、名前入りのグラブをプレゼントした。異国で味わう寂しさとも戦い、自身の目標に向かって挑戦する子どもの背中を押した。そんな計らいが当たり前のようにできる。それは虎にも好影響を与えている。
5連勝で2位・広島とは1ゲーム差の単独首位。「またこれからも頑張ります」。チームの勢いそのまま、福留も突っ走る。