中谷、執念弾や 九回不屈のフルスイング 今季2度目の猛打賞

 「巨人9-7阪神」(10日、東京ドーム)

 ナイン全員の諦めない心を、阪神・中谷がフルスイングで体現した。6-9の九回2死。カウント1-2から守護神・カミネロを完璧に捉えた。絶体絶命の場面で放った左翼スタンドへの一発は、4日・ヤクルト戦以来の3号ソロ。連勝は止まったが、勢いはそのままだ。

 「まだ分からない点差でしたし、なんとかつないでいこうという気持ちでいきました」

 岩貞の大乱調で始まった伝統の一戦。序盤に大量リードを許したが、誰一人後ろ向きな選手はいなかった。その中で、一番の輝きを放ったのが背番号60。4日のヤクルト戦以来、今季2度目の猛打賞。猛虎打線を鼓舞し、G投手陣に襲いかかった。

 二回無死一塁は、先発・大竹寛の変化球を振り抜いて左翼フェンス直撃の二塁打。六回無死一塁では真っすぐを左前に運んだ。いずれも先頭の福留が出塁した後の「H」ランプで得点につながった。片岡打撃コーチも、粘り強い打撃を評価する。

 「反発力というか、あそこで中谷がホームランを打ってくれて。状態はいいですね」

 2年前、浜中2軍打撃コーチとの出会いが中谷を変えた。右手でボールを押し込む練習を繰り返し練習し、直球に振り負けないスイングの習得に努めた。「変化球を拾って打つのはうまいけど、真っすぐには差し込まれている」。同コーチの言葉を信じ、バットを振り続ける毎日。今、鳴尾浜で流した汗が結果となっている。

 ここまで26試合に出場して打率・286、3本塁打、6打点。打ち続けなければ、レギュラーは奪えない。一塁は原口とキャンベル、左翼は高山がライバルだ。「とりあえず(3安打は)良かったです」。敗戦の中で光った希望が、今後のシーズンを明るく照らす。

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