中谷V弾、豪快井納撃ち&好走塁で魅せた 首位固め広島に2差!
「DeNA1-4阪神」(12日、横浜スタジアム)
若手とベテランの力がかみ合っての快勝や!1-1の六回、阪神・中谷将大外野手(24)の2戦連発となる4号ソロで勝ち越しに成功。四回には鳥谷敬内野手(35)の左中間打で一塁から長駆生還の好走塁で先制劇にも貢献した。八回は福留孝介外野手(40)と鳥谷の一発競演で貴重な追加点。試合がなかった2位・広島とは2ゲーム差。首位固めへ金本阪神の再進撃が始まる。
横浜の夜空に白球が舞った。完璧に捉えた勝ち越し4号ソロが左翼スタンドに着弾。敵地を黄色く染めた虎党の期待に応えた。2戦連続の本塁打に「いい一本になったと思う。しっかり捉えられているので、継続していきたい」と笑みを浮かべた。
重苦しい空気を一変させた。1-1と投手戦が繰り広げられていた六回2死。「後ろに信頼できるバッターがいるので、つなぐ気持ちで」。井納の真ん中に入ったスライダーを逃さなかった。大きな放物線を描きスタンドイン。ダイヤモンドを一周し、笑顔でナインとハイタッチを交わした。
三塁ベンチでは“アゴタッチ”で迎えられた中谷。そんなにアゴは特徴的な形はしていない。「それはちょっと…(笑)」と理由については明かさなかったが、チームの雰囲気がいい証拠だ。ソフトバンク・内川、広島・鈴木らも本塁打を放った際に同様のシーンが見られることがある。これまでバットで貢献し続けている中谷にも、手荒い?祝福が待っていた。
足でも魅せた。四回は内野安打で出塁後、鳥谷の左中間への二塁打で一気にホームへ生還。「サードを回った瞬間に足がもつれて走れなくなったんですけど、先制点を取れてよかった」と苦笑いを浮かべながら振り返った。
開幕当初は代打での出場が多く、慣れない役割に苦しんだ。それでも徐々にスタメン出場が増える。4月28日・中日戦(甲子園)で今季1号を放って以来、約2週間で4発と大当たりだ。金本監督も「そういうのを期待して出しているわけだから。期待通り。ナイスですね」と目を細めた。
プロ7年目の今季は相当な覚悟を持って臨んだ。福岡県の実家に帰っても「あんまり熱い話が好きじゃないんで」と内に秘めた。昨年つかみかけたチャンスを生かすために、とことんバットを振り続け、自身と向き合った。努力が実を結び、高いレベルで指揮官に教えを受けるまでに成長した。
走と攻でチームを再び上昇気流に乗せた。連勝ストップ後の初戦を勝ちに導いた。「これからもずっと、勝利に貢献したい」。試合に出続けても慢心はない。5番に座る24歳の若虎が日々、頼もしくなっている。