藤浪 自身4度目スライド投でチーム貯金10&防御率1位へ
阪神の藤浪晋太郎投手(23)が13日、雨天中止を受けて14日・DeNA戦に先発することとなった。自身4度目のスライド登板に苦笑いしながらも、過去3度は2勝0敗で苦手意識はない。8回2/3以上を投げ切ると規定投球回数に達し、自責点2以下に抑えるとセ・リーグ防御率1位に躍り出る可能性がある重要な一戦。チームを勝利と同時に今季最多貯金「10」に導く。
天候にはかなわない。藤浪は「仕方ないですね。すさまじい雨男っぷりですよ」と苦笑い。早々に中止が決定し、気持ちを切り替え敵地のブルペンへ。厚い雲に覆われた重い空気を追い払うように、ミット音を響かせた。
またしても雨で予定登板日が流れた。より神経をすり減らす登板前日が2日連続で訪れることになるが「それに合わせて調整しているので」。過去3度のスライド登板は2勝0敗と苦手意識はない。加えて自身8連勝中のDeNAが相手。不安要素は見当たらない。
現在、セ・リーグの防御率トップは巨人・菅野の1・89。藤浪は1・78だが、14日に8回2/3以上を投げると規定投球回に到達し、自責点2以下に抑えれば菅野を抜く。同じく規定に到達していない巨人・田口の結果次第で、いきなり防御率トップに躍り出る可能性がある。
今季は開幕直後の4月中旬にインフルエンザを発症。登板を回避するなど苦しんだが、ようやくセのライバルたちと張り合えるまでに持ち直してきた。
体の強さも持ち味の一つだ。23歳と若く、スタミナもある。だからこそ完投にも期待がかかる。「投げ切ることを考えると苦しくなる」と平常心で臨むが、最後までマウンドに立ち続ければチーム今季初完投となる。
そんな右腕について金本監督は「日曜日に晋太郎はもったいないな。きょう中止になったから、あした総動員でいけるから」と話した。翌日が休養日で中継ぎ陣を起用しやすいからだ。「火曜日、水曜日ぐらいに。もしくは水、木くらいに」と6連戦の前半に完投する投手が出てくることを理想としたが、藤浪がスコアボードに「0」を並べ続ければ、代える理由はない。
この日の練習を見守った香田投手コーチは「いつもブルペンはいいよ」と太鼓判を押し、「あとはバッターが立ったときの投球」と続けた。下位打線への“無駄な四球”でピンチを招くケースが多い右腕に「リズムよく投げて、信頼できるようなピッチャーになってほしいよね」とさらなる成長を求めた。
チームを連勝に導けば、貯金は2桁「10」になる。若きエースがハマスタで躍動する。