金本監督、首位快走も慢心なし 貯金増へローテ谷間「勝つために選ぶ」
首位にいても慢心はない。阪神・金本知憲監督(49)が15日、21日・ヤクルト戦(神宮)に起用する先発投手について「勝てるために、どちらを選ぶか」と語った。現状で青柳晃洋投手(23)、ドラフト2位・小野泰己投手(22)の2人が候補に挙がるが、“試す”という発想を「そんなスキを見せちゃいかん」と否定。3年ぶりの貯金10からさらに積み上げていくために、最善の一手を打つ。
勝つためにどうするか-。3年ぶりに貯金を10の大台に乗せ、確実に勢いが生まれている今、金本監督は先発6番手を選ぶ基準をこう語った。
「試す?そんなスキを見せちゃいかんよ。勝ちにいかんと。勝てるためにどっちを選ぶか」
先発ローテの谷間となる21日のヤクルト戦。候補に挙がっているのが青柳とルーキーの小野だ。ともに14日のウエスタン・ソフトバンク戦に登板。小野は課題の制球を乱すことなく4回2失点に抑え、後を受けてマウンドに上がった青柳は4回3安打無失点と好投した。
指揮官は「決めていない。下(2軍)の報告待ち」と前置きした上で「内容を聞いてみないと。楽しみな2人やしね」と明かす。2桁貯金を抱える今、夏場からシーズン終盤にかけて使えそうな若手を試しておくという戦い方もあるが、金本監督の考え方は違う。
流れを重要視し、勝つために何をすべきか、どうすべきか。その方針にブレがないからこそ、優勝した03年に近いハイペースで貯金10を積み上げてきた。
広島に同一カード3連勝を果たした7日の試合後会見でも、苦手意識を払しょくしたかの問いに「いやいや、そういうのは慢心につながりますから。そういうのはなしで。苦手とか得意とか全く意識せず戦っていかないと。すぐに足をすくわれてしまう」と表情を引き締めていた。
勝ち続けていく中で排除すべきは慢心、そして心の緩み。福留、糸井、鳥谷ら主力が存在感を示しているだけに「チームに変な意識?ないよ。そういう心配はない。ベテラン、キャリアを積んでいる選手もおるし。ピッチャーも球児らがいるし」。選手間で引き締めができる経験豊富なベテラン勢に、金本監督は確かな信頼を寄せている。
12年ぶりのVへ、今は貯金を積み上げていくことが最優先事項。勝ち続けるために-。その一点だけに集中して、指揮官はタクトを振るっていく。