「阪神０－１巨人」（２３日、甲子園球場）

　緊迫の投手戦だった。その中で阪神・高山が存在感を見せつける。なかなか出塁させてくれない“難敵”を相手に２安打３出塁。リードオフマンとしての仕事をきっちり果たした。

　まずは初回。ファウルで粘って９球目に四球を選ぶと、三回の第２打席は、遊撃・坂本勇の頭上を越える中前打。五回の第３打席では、初球の甘く入ったカーブを見逃さずに右前へ運び、マルチ安打とした。

　今季、巨人のエース・菅野との対戦成績は７打数４安打。打率・５７１で打ちまくっている。だからこそ悔やまれるのが、見逃し三振に終わった第４打席だ。

　反省の言葉しか出なかった。七回。無死一、二塁とチャンスを作り、ここまで快音連発の高山に打席が回った。虎党から大歓声で迎えられた。しかし…。「あそこで打てないとバッターとして価値がないと思う。悔しいですね」。フルカウントからの６球目。内角ギリギリの直球に手が出なかった。

　反省を欠かさず、次の試合へ生かす。不振だった打撃に復調の兆しが見えた。ここ５試合で打率・３８１。それでも立ち止まるわけにはいかない。勝利を導く打者に－。その貪欲な姿勢が一流の階段へとつながっていく。