鳥谷、顔面死球で流血交代 病院直行…連続試合出場ピンチ 最悪、鼻骨骨折も
「阪神1-3巨人」(24日、甲子園球場)
阪神が20イニングぶりに得点したものの連敗。2カード連続の負け越しを喫した。0-0で迎えた五回1死三塁、巨人・吉川光から鳥谷敬内野手(35)が顔面死球を受けて交代。病院へ直行した。主軸が離脱し、この先制機も無得点に終わった。2位・広島に0・5差。鳥谷の連続試合出場記録はこのまま途切れるのか…。
甲子園に降り注いでいた雨が涙雨に変わる。予期せぬ事態、目を覆いたくなる惨状。鳥谷が顔面死球による負傷交代で、試合中に聖地を離れた。鼻からは大量の血が滴り落ちる。「虎の顔」なきまま連敗を喫した。
能見-吉川光の息詰まる投手戦でゲームは進み、0-0の五回。先頭の福留が右翼フェンス直撃の三塁打で好機を作ると、1死後に鳥谷が打席に入った。1ボールからの2球目。144キロ直球がすっぽ抜け、鼻に直撃した。その場に崩れ落ち、うずくまったまま動かない。金本監督、権田トレーナーらが駆け寄ってくる。甲子園は異様な空気に包まれた。
数分後、自力で一塁ベンチまで歩いた。苦悶の表情を浮かべながら流血する鼻をタオルで押さえる。そのまま尼崎市内の病院へ直行した。この日までに検査結果は発表されなかったが最悪の場合、鼻骨骨折の可能性もある。そうなれば、歴代単独2位の連続試合出場が「1794」で止まってしまうかもしれない。
顔面死球を与えた吉川光は危険球退場。一気に攻めたいところ、打線は沈黙した。マウンドには田原が上がり、代打・伊藤隼は初球を打って投ゴロ。続く梅野も二ゴロに打ち取られ、先制の絶好機を逃した。結局、奪った得点は九回に上本が放った一発のみ。核となる男がフィールドから消え、勢いをなくした。
金本監督は、鳥谷について「まだ病院に行っているから。結果は聞いていないですけど」と話すにとどめた。開幕から全42試合に出場して打率・297、1本塁打、18打点。昨季の大不振から復活を遂げた男は、今のチームに欠かせない。万が一離脱となれば、チームの根幹を揺るがす事態になる。
敗戦に沈む甲子園。右翼席を埋めた虎党は、あっという間に家路についてしまった。2位・広島とのゲーム差は0・5に縮まった。今季初の2カード連続負け越しも重くのしかかる。頼みの綱は、鳥谷に他ならない。今は、大事に至らないことを祈る。