藤浪“魔の六回”お得意様にも勝てず…阪神完敗で鯉と0差
「阪神2-5DeNA」(26日、甲子園球場)
お得意さま相手に“魔の六回”を乗り越えられなかった。阪神先発の藤浪晋太郎投手(23)が0-0の六回に突如崩れた。1死一、三塁から投手の井納に先制適時打を浴びるなど3失点。自身のDeNA戦連勝は8で止まった。この日の敗戦で2位・広島にはゲーム差なしまで肉薄された。チームにとっても藤浪にとっても、ここが正念場や!
悔しさ、もどかしさを押し殺すように、前を向いて歩く。5回1/3を3失点で今季3敗目。降板後の藤浪に言い訳はなかった。「技術のなさ、引き出しの少なさです」。最速154キロの直球を軸にカットボールで粘った。だが突然、制球を乱す悪癖の改善には至らなかった。
六回だ。五回までに4度得点圏に走者を背負う苦しい投球。それでも粘りの投球を続けていたが、突如バランスが崩れたように見えた。異変を感じたのは1死後、嶺井に3ボールとした時だ。「メンタル的に焦った時に戻せなかった」。4球続けたスライダーを狙われ、まず中前打で出塁された。
続く田中浩には6球スライダーを選択。暴投で二進を許すと、右前打で1死一、三塁とされた。直球の制球が定まらず、スライダー一辺倒になった。「直球が合わない中、最も打ち取ることができる球が多くなった」としたが、相手ベンチにも明白だった。続く投手の井納にも初球のスライダーを狙われ、右前適時打で先制の1点を失った。
ここで交代を告げられると2番手・岩崎も打ち込まれ、守備のミスも重なり、この回一挙5失点。自身のDeNA戦連勝も8で止まった。次回登板について、金本監督は「余裕があるわけではないから」と再調整などを否定。「本人が自分で打開していくしかない」と交流戦での復調を願う。
藤浪も一筋の光を口にする。「いい感覚、いい球もたくさんあった。増えてきていると思う」。五回には筒香に3球続けて直球勝負。内角低めの150キロで三邪飛に打ち取った。走者がいない場面でも、足を上げるタイミングを変えるなど試行錯誤を繰り返した103球だった。
「やることは投げることしかない。いろんな方にも助言を受けながら、考えてやっていきたい」。30日の次カードからは交流戦が始まる。藤浪の復調なくして、チームは前に進まない。