阪神陥落 金本監督「そうそうチャンスはない」 プロ初4番・中谷、5番原口に喝
「阪神2-6DeNA」(28日、甲子園球場)
惨デー。7連勝中だった日曜日に聖地で負けた。6日に奪い取った首位の座からも滑り落ちた。阪神・金本知憲監督(49)は10残塁の拙攻に加え、プロ入り後初めて4番に座った中谷将大外野手(24)、原口文仁捕手(25)の得点機での打撃を厳しく指摘。交流戦突入を前にカツを入れた。
壊れた試合を立て直すチャンスはあった。糸井と大和の衝突プレーから始まった三回の6失点を帳消しにする可能性は十二分にあった。金本監督は残塁数を逆質問し「去年の終わりくらいから言っているけど、そうそうチャンスはないですよ、もう。それをよく肝に銘じてやらないと」とクリーンアップを糾弾した。
福留に今季3度目の休養日を与え、中谷をプロ入り後初となる4番に据えた。3番・高山、5番・原口と25歳以下の選手で組んだ中軸。結果を出せば存在感を示せる中、チャンスで1本が出なかった。
得点圏に走者を置いて3人に回ってきた7打席。得点に直結したのは七回1死満塁からの中谷の左犠飛だけ。5点を追う五回1死二、三塁の場面では、中谷、原口が相次いで凡退。冷静に状況を把握し、狙い球を絞って打ちに行く様子はなかった。相手投手を攻め立てているにもかかわらず、打席内容は後手後手に回った。
「チャンスでどうやって打つかだけど、クリーンアップで」と語気を強めた金本監督。中盤に1点でも奪っていれば流れは変わっていたかの問いに「もちろん。それもあるし、その後もあるし」と悔しさをにじませる。
勝負の夏場、佳境の9月を勝ち抜くためには、福留、糸井らベテランの体調に配慮しながらのチームマネジメントが必要だ。中谷、原口は若手の中でも中軸を打てる可能性を秘めた存在。だからこそ結果を出し、自信をつけてほしかった。
日曜日の連勝は7で止まり、3カード連続の負け越し。30日から交流戦に突入する直前で、首位の座を広島に明け渡した。「全く関係ないですよ。それは」と指揮官が言うように、今は順位を意識する時期ではない。
いかに貯金を積み上げるか、そして優勝争いを演じられる強固なチームに仕上げていくか。原口は「結果が必要」と悲愴(ひそう)感を漂わせ、中谷は「いつもと変わらず試合に臨んだ」と多くを語らなかった。失敗を糧に、たくましく成長する姿を見せてほしい。ここ数年、辛酸をなめ続けた交流戦で見せてほしい。