秋山が粘った粘った!自己最多5勝 12安打でも8回2失点
「交流戦、オリックス4-11阪神」(6日、京セラドーム大阪)
先にマウンドは譲らない。打たれても我慢強く右腕を振った。「何とか粘り強く投げられました」。敵のエース・金子との投げ合い。費やした球数は120球。本来の調子ではない。それでも耐えた。先発した阪神・秋山拓巳投手(26)が好調のオリックスから白星をもぎ取った。
反省を残したのは立ち上がりだった。初回に小谷野と中島に連続適時打を浴びて2点の先制を許す。だからこそ味方が逆転してくれた直後は念入りだった。「逆転してもらったので最終回のつもりで」。三回は、この日唯一の三者凡退。五回無死一、二塁のピンチの場面では4番・ロメロに外角の直球で見逃し三振。一転、続く小谷野にはカーブで投ゴロ併殺打に仕留めて難を逃れた。
シンプルな思考への転換が功を奏した。打ち込まれた前回5月30日のロッテ戦。9奪三振の中で7個が直球だった。この日は自分の持ち味を見つめ直し臨んだマウンドだった。
「真っすぐは気持ちを込めて」。この日奪った6奪三振のウイニングショットは全て直球。12安打されたが8回2失点。気持ちは切らさなかった。
これで7週連続で週の頭、火曜日の先発を任され首脳陣の信頼は揺るぎない。つかんだ白星は自身シーズン最多となる5勝目だが、まだまだ足りない。「低い数字なのでもっと増やしていけるよう頑張りたい」。覚醒し始めた右腕が引き続き猛虎に勝利をもたらしていく。