福留執念セーフティーバント 4番激走から劇勝や!金本監督「ノーサイン」

 「交流戦、阪神3-2西武」(15日、甲子園球場)

 40歳の全力疾走が、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。一塁ベースを過ぎたところで膝に手をついて呼吸を整える。執念のセーフティーバントは2年ぶりの犠打となって好機を広げ、若虎の“逆襲”を引き出した。「きょうは俺、関係ないから。あの2人(中谷、原口)に聞いてやって」。阪神・福留孝介外野手(40)は勝利に貢献した2人の若武者を立てた。

 2-2のまま進んだ延長十回無死一塁の場面。シュリッターが初球を投じると、打席の中でベテランが動いた。一塁方向へ駆け出しながらバットをボールに添える。すると打球は三塁側へ絶妙に転がった。全速力で駆け抜けたが間一髪アウト。それでも得点圏に走者を進める貴重な送りバントとなった。

 敵だけでなく、味方や観客の意表をついた。金本監督は「ノーサイン。おそらく彼の独断で、どういうバッティングをすればいいのか、あのピッチャーに対して何ができるのかを考えての彼の独断で」とうなずいた。さらに「もう、ぼくは任せきっているので」と、全幅の信頼を寄せる主将に最大の賛辞を送った。

 このベテランの執念が実り、中谷がつないで原口が決めた。チームの状況、自身の打撃の調子を見極めた上での決断。試合の流れを読む-。まさに一流のセンスが、脳を、体を動かした。実は5月7日・広島戦でもセーフティーバントを試みた。その時の言葉は「今年、一回もやってなかったし、無警戒だったから」。勝利に向かうためなら自己犠牲もいとわない。主砲が自ら“脇役”となった。

初回に先制打

 一回には2死二塁から右前へ22打席ぶり適時打を放ち、先制点をたたき出した。自ら決めるところは決め、つなぐところはつなぐ。これが虎の主将。たったワンプレーで雰囲気を変えることができるのはこの男の強みだ。

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