阪神泥沼7連敗 新オーダーも実らず連夜の零敗…42イニング連続適時打なし
「中日2-0阪神」(29日、ナゴヤドーム)
燃える闘志を胸に、阪神・糸井が打席に入った。0-2の八回2死二塁。一発同点の場面で、岩瀬の直球をコンパクトにスイングした。だが、打球はゴロで遊撃・京田のグラブに吸い込まれ、好機は消え去った。
三回2死二塁の場面では、先発・大野の変化球に空振り三振。これで25日・広島戦(マツダ)の初回にともした「H」ランプ以来、16打席連続無安打。「左太もも裏の軽い筋挫傷」から先発復帰した23日の同戦以降、19打数3安打、打率・158と下降線をたどっている。
この日の試合前練習では、フリー打撃後に金本監督から声を掛けられた。体の回転、左足の使い方などジェスチャーを交えて助言を送られた。虎将は「うん、まぁ…ちょっとね」と詳細を明かさなかったが、修正点を指摘。だが、即効性は示さず、バットは湿ったままだった。
打線全体も低空飛行を続ける。福留に休養日を設け、中谷を4番、鳥谷を今季初の5番に据えた新オーダーでも得点は奪えない。4度の得点圏のチャンスを生かせず、これで42イニング連続適時打なし。金本監督も「得点圏に行った時にどうするか。苦しいけど、このメンバーしかいないんだから」と声を振り絞るしかなかった。
今季ワーストを更新する7連敗。連敗中は全試合で先制点を献上している。糸井は「なんとか一本打てるように頑張ります」と言葉を紡いだ。浮上の鍵は超人の復活にほかならない。
「先発ピッチャーはこの3日間、試合を作ってくれている。野手は本当に借りを返してあげないと」
指揮官の猛ゲキがナインの心に響く。首位・広島とは6・5差。球団史で7ゲーム差をひっくり返して優勝した前例はなく、今季初の同一カード3連敗も重くのしかかるが、前を向くしかない。「気合を入れろ、タイガース!」。敵地に響いた虎党からの声援。背中を押してくれる人のためにも勝ちたい。