阪神5年ぶり8連敗 「デッドライン」越え広島と7・5差…振り向けば横浜2差…
「阪神3-4ヤクルト」(30日、甲子園球場)
負のスパイラルから抜け出せない。阪神は接戦を落とし、5年ぶり8連敗を喫した。五回、1死二塁から福留孝介外野手(40)がチーム47イニングぶりタイムリーとなる左前適時打を放ったが、あと1点及ばなかった。とうとう首位・広島とはデッドラインを越える7・5差。さらに3位・DeNAが2・0差まで迫ってきた。
一打サヨナラを信じた歓声はため息へと変わる。九回2死二、三塁。代わったばかりの近藤の変化球に、原口のバットは空を切った。金本監督にとって最長であり、チームとして5年ぶりの8連敗。甲子園に帰っても負の連鎖は止まらない。
「(1点が遠いのは)いつものこと…まあ、今はそういう時期ですね。(七回は)向こうもミスをして、それを生かせなかったのかなというところです」
一気に畳み掛けられない。2点を追った七回は連打と相手の失策で1点を返し、なおも無死一、三塁という好機。ミス絡みという流れを考えても、最低でも同点という展開だったが…ここで次の1点を奪えなかった。
結果的に、今のチーム状態を象徴するような形だったイニング。五回の攻撃も悔やまれた。福留が放った、チーム47イニングぶりの適時打で勢いが加速するかと思われた中、なおも1死二塁の場面で、中谷が2ボールから高めのボール球に手を出して遊飛に倒れた。続く高山は投ゴロに終わった。
「(中谷は)あそこでボール球を振るようではね。これは何て言うのかな…状況とか試合の流れとか空気感とか、もうそろそろ(理解して)やってくれないと」
チーム状態が悪い今、好転しそうな流れを止めるようなプレーはいただけない。若いと言うだけで起用し続けるわけにもいかない。七回の守備からベンチに下げたのもそのためだ。「そういうところの厳しさも出していかないと、こっちは」。さらなる奮起を求めるがゆえの判断だった。
首位・広島とは7・5ゲーム差。過去、阪神は6・5ゲーム差以上をひっくり返した優勝がなく、「デッドライン」を越えた形に。さらに3位・DeNAとは2ゲーム差となったが、今は本来の姿を取り戻すことが先決。そうでなければ出口は見えてこない。