青柳、歴史的乱調…プロ野球タイ記録1イニング3死球で逆転招く
「阪神3-4ヤクルト」(30日、甲子園球場)
好投から一転、悪夢が阪神・青柳晃洋投手(23)を襲った。1-0の五回。この日初安打を許すと、連打を浴びて無死二、三塁のピンチを招いた。するとそこからプロ野球タイ記録の1イニング3死球を与えるなど一挙4失点。逆転を許し、この回で降板した。快調に飛ばしていただけに、実に後味の悪いマウンドとなった。
立ち上がりから捕手・岡崎のリードにしっかりと応えていた。スライダーなどの変化球をうまく使い、狙い球を絞らせない。失点するまで許した走者は四回1死で与えた四球だけ。堂々としたマウンドさばきで、これまでとは見違える姿を見せていた。
指揮官は期待を込めて厳しい言葉を右腕に送る。「前半、今年(今まで)にないものを見せてくれたなと思っていたけど、突然ああなるのは成長がないのかなと。そう判断せざるをえないよね」。突如、ひょう変した右腕。自身のミスから失点するケースが目立つだけに修正を促した。
球団広報へ残したコメントは「五回にデッドボールとフォアボールが原因で大量失点を許してしまいました。ゲームを壊してしまい、申し訳ないです」。だが敗戦後、報道陣に向けては悔しさをにじませた表情を浮かべながら、無言でクラブハウスへと引き揚げた。
“魔の五回”を成長の糧にしなければならない。先発ローテを死守し、チームの勝利に貢献するため、課題克服へと努めていく。苦悩を乗り越えた先に、明るい未来が待っている。