西岡、ついに1軍合流 逆転Vの起爆剤へ
阪神の西岡剛内野手(32)が15日、甲子園での1軍全体練習に合流した。昨年7月20日・巨人戦(甲子園)で左アキレス腱を断裂してから約1年。リハビリや2軍戦での実戦を経て、1軍の舞台へ戻ってきた。この日の練習では故障前と遜色ないパフォーマンスを見せつけた西岡。後半戦での巻き返し、逆転Vへの起爆剤として期待される。
久しぶりに吸い込んだ1軍の空気がすがすがしそうだった。聖地の黒土を力強く蹴る姿に患部の不安は感じられない。左アキレス腱を断裂してから360日。歯を食いしばり励んできた地道なリハビリを経てようやく戻った。満を持して西岡が1軍に帰還だ。
初日から目まぐるしく動いた。まずは、練習前に組まれた円陣であいさつ。1軍メンバーと久々となる再会の時間。笑顔を浮かべた仲間から万雷の拍手で出迎えられるとスイッチが入った。グラウンドで披露した軽快な動きが後半戦への期待感をより強くさせる。
シートノックでは、まず一塁に入り、すぐさま中堅の位置へ。ファーストミットから外野用グラブに替えて打球を追った。さらに今度は内野手用のグラブを手に遊撃へ。リズミカルにゴロをさばき、力強い送球で“復活”を印象づけた。
鋭い弾道で周囲の視線を奪った。左打席で20スイング中、安打性が6本。続く右打席では20スイングで安打性8本の打球を見舞う。柵越えこそないものの、勝負強いシュアな打撃が持ち味。打撃練習を終えると一度ベンチ裏へ引き揚げ、再びグラウンドへ。一塁ベース付近に向かい走塁練習を繰り返した。黙々と走り“本番の瞬間”をイメージした。
首脳陣の目にも頼もしく映る。打撃練習を見守った片岡打撃コーチは「起爆剤というか、彼には期待していますよ」と反攻へのキーマンに期待。さらに、高代ヘッドコーチは「動きがいい。試合に出られる状態だと思います」とGOサインだ。
ただ、ようやくスタートラインに立ったにすぎない。17日からの広島3連戦でスタートする後半戦。その前に激しいポジション争いに身を置くことになる。遊撃、一塁、中堅…。「ちょっと流動的になってくるね。いろいろ。ポジションにせよ、打順にせよ、スタメンになるにせよ」と金本監督。どのポジションもライバルとの激しい競争が待ち受ける。
西岡は出場選手登録前ということもあり、コメントを発することはなかった。復活を語るには、この日に見せたパフォーマンスで十分に事足りる。逆境を乗り越えてきた西岡が逆襲への道筋を照らしていく。