初出場の全セ・秋山 オール直球でパ“三冠王”柳田仕留めた
「マイナビオールスターゲーム・第2戦、全パ3-1全セ」(15日、ZOZOマリンスタジアム)
全パが全セに3-1で勝ち2連勝。通算成績は82勝78敗11分けとなった。プロ8年目で初出場した阪神・秋山拓巳投手(26)は三回から全セの2番手で登板。デスパイネに特大の一発を浴びて2回1安打1失点だった。それでも、対戦を望んでいた柳田には、5球全て直球を投げて空振り三振。パ・リーグ三冠打者を封じて存在感を示した。
秋山は笑っていた。
普段、マウンド上では見せることのない表情で、パ・リーグの強打者に向かった。初の球宴出場で2回を1安打1失点。「対戦したい」と話していた柳田は、全球直球勝負で空振り三振に斬った。全力で投じた28球。実り多い2日間だった。
「見逃し三振も取りたかったですが、三振も2つ。緊張することもなく楽しめました」
三回。菅野の後を受けて、2番手で登板した。源田、秋山いずれも直球で中飛に打ち取り、迎えた柳田との対戦。初球、146キロでファウルに取ると、4球目にはこの日最速の147キロ。最後は外角低めの146キロで、空振り三振を奪った。
初めての球宴出場。晴れ舞台には両親を招待した。早朝に愛媛の実家を出て球場に到着。父・正二さん、母・みゆきさんは試合前から心を震わせていた。苦節8年でつかんだ夢舞台。秋山本人の苦労、苦悩の日々は、両親にとって心配の毎日だった。「励まして、祈る日々でしたね」と父。感謝のマウンドだ。
「本当に夢のようです。感無量。親の方が興奮しています。最初は私が無理やり始めさせた野球。嫌じゃと思うこともあっただろうけど、本人がよくここまで頑張ったと思う」
続く四回。1死からデスパイネに、バックスクリーン直撃の特大弾を浴びた。高めに浮いた143キロ。秋山は「球宴らしい打球を打ってくれた」と笑わせたが、後半戦に向けて再確認する機会にもなった。「いろんな球種を投げていかないと、と改めて感じました」。抑えて収穫、打たれて勉強の1日だった。
「今後に生かしたい」。前日にはヤクルトのエース・小川らから、マウンドでの心構えなど助言を受けた。17日から始まる後半戦。秋山は21日のヤクルト戦に先発する予定だ。「もう一度、開幕のような気持ちで。一戦一戦、食らいついていきたい」。サクセスストーリーはまだまだ続く。